タンジョウビ
4話目投稿しました。
2020年6月7日。この日は私の誕生日。そしてそれを知っているのは有馬くんだけ。梅雨の6月になり、私もクラスのみんなとそこそこ打ち解けたけれど、私の誕生日を知っているのも祝ってくれたのも有馬くんだけ。休み時間に私の机に来てこう言ってくれたのは忘れないわ。
「誕生日おめでとう」
明るい笑顔で祝ってくれたのはとても嬉しかった。でも急に来たから少しびっくりしたわ。
「...ありがとう」
少し顔を赤らめながらお礼を言ったのを覚えているわ。この時に好きだということを改めて自覚したように思うの。やっぱり明るい人はいいわね。あなたのことを好きになった人は私以外にもいると思う。でも、私も譲れないから。誕生日を祝って、向こうに行こうとするあなたに聞こえるか聞こえないかのギリギリの声で
「好き...」
とポツリと呟いてみた。そうすると聞こえたのか振り向いて
「ん?なんか言った?」
「ううん、なんでもないよ」
という会話をしたのよ。かなり小さく言ったつもりだったのにとっても焦ったわ。耳がいいのね。この発見もできたのも嬉しいけど、やっぱり祝ってくれたことで今日一日が頑張れたわ。実際本当に頑張ったの。褒めて欲しかったけれどしょうがないわ。これ以降会話することがなかったんだもの。
高校一年生の最初で最後の誕生日。好きな人に祝われたこの日を私は忘れない。
読んでいただきありがとうございます。
今回は1度本文を消してしまい、自分でも何を書いていたかわからなくなりましたが楽しんでいただけたら幸いです笑




