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1-18 知らないもので満ちる街

乗ってしばらくして、電車は都会に入っていた。



「あの管とか煙突とかのごっちゃごちゃな建物は?」

「なんかの工場じゃない?私にもわからん」



住宅はともかく、時々謎の建物が流れてくる。綱を六本吊り下げた無骨な建造物、やたら高い煙突の生えた四角い建物、空中に出現した円い橋。それぞれ送電線の鉄塔、ごみ処理場、高速道路の立体交差点だそうだ。それらだけでも感動ものだが、その誕生までの経緯を考えるとまた技術の発展した今ならではの理由がありさらに面白い。

例えば高速道路の立体交差点。”高速道路”という料金を払う代わりに形がよく速度の出せる道路での事故を減らすためのものなのだが、そもそも高速道路自体が車の高速化と庶民への普及を前提として存在し、車の高速化は消費者の需要に贅沢さが出ている事を示す。発展によって発生した問題や需要、視界に移るものの背景にはそれらがあるのだ。



「ん、あそこにもかなり大きい建物」

「タテマチって言われてる商業施設だね。建物の中に百とか二百とかの店が入ってるやつ」

「そんなに」

「結構便利だよ」



そもそもひとつの街にそんな数の店があるのが稀といった感覚のある理奈にとっては、さらにそれをひとつの建物に集約するなぞ思考の埒外。感動と驚愕の衝撃が常に理奈を襲い続ける。



「ふふ」

「どした?」

「いやなんか、そうやって興奮してるとこ、見た目通りの子供みたいだなって」



そうか?と一瞬思ったが、納得できた。今の理奈は、目に何か映る度に感動し、昂っている。兵士学校に入るために初めて大きな街に来たときのクレイがごとく。

そしてそれは、恥ずべきことではない。初めて見るものに感動できない人生などきっとつまらない。



「はは、子供だからね」

「そうだった」



電車の周りの建物は、どんどん高くなっていく。それに比例して、理奈の中の期待もどんどん大きくなっていった。






そしてその期待は、三宿駅に着いても膨張を止めなかった。



「なんだこれ......」



まず驚くのは電車の数。今乗ってきたものに似た銀色の体に色の帯を付けたものかひっきりなしに出入りしている。またある乗降場には明らかに他の電車とは違う雰囲気のあるものもいる。一本の電車に興奮していた自分が馬鹿に思えてくる。

そしてそれらの乗降場にいる人の数。夜の酒場のような混雑具合、しかも広さは段違い、みなが電車を使っているのだ。しかもまだ朝七時にもなっていない。



「多......朝だぞ......」

「あの真京環状線とか三分に一回来るし基本満員だよ」

「はは......」



もはや笑うことしか出来ない。圧倒的すぎる。何もかもが前世の頃と比べて大きいし多いし、眩しい。

ひとつ残念なのは、転移魔法が一般的になった途端無意味なものになってしまうように思えるところか。まあ理奈にもよく分かっていないあの魔法の使用を前提にしなければ、推進魔法などで機能性を上げられるかもしれない。そう考えるともっと楽しい。



「どうかした?感動で動けないとか?」

「全くもってその通りかなあ」



この二時間の間色々興奮していたせいか、唄に心を読まれ、保護者のような目を向けられている。理奈の動きがわかりやすいのもあるだろう。まあ、自然と子供のような動きができているのは今なら都合がいい。精神が混ざっているからか恥ずかしさもそこまで感じなくなっている。


このままでは落ち着くまでここから動けなさそうだが、ずっとここにいても仕方が無いので階段へ向かう。動いている階段を見てまた驚き、上の改札のある階に行ってまた人の多さに驚き、さっきの駅には二つしか無かった自動改札が大量に並んでいる光景に驚き、漸く改札の外に出ることが出来た。そしてそこにもとんでもない光景は広がっていた。



「......うっわー」



まず目の前にあるのは道路。大小あらゆる車がひっきりなしに行き交うその光景、圧倒されて口が開きっぱなしになる。こいつらも推進魔法で性能が上げられそうな気がする。

道の反対側には、駅の別の出入口がある。大きな建物にでかでかと”国鉄三宿”と書かれており、その下には沢山の自動改札が並び、人で溢れている。そもそもこの下には線路があるのになぜその上に建物が建っているのか。浮遊を使っている訳でもないのによくもまあ落ちないものだ。

そして、左右にはいくつもの空高く聳える天楼。曲線を生かした芸術的なものからただ四角いだけのもの、上に行くにつれて細くなる日本の塔など、何をそもそも作り方すら分からないような建造物が林立している。この前見た吊り上げ車の何倍あるんだってくらいの高さがある。そもそもここまで高くする必要は何だ。高さで権威を主張しようにもここまで高いものが多いと意味が無いし、本当になんでこんなことになっているんだ。



「とりあえずもう空いてるはずだし店行こう」

「あ、うん。どこの店?」

「本屋」



気を取り直して唄について行く。


それにしても本当に人が多い。朝なのに。海底基地に居ると、やたら早い朝に人が動いているのはあんまり気にならないのだが、いざ太陽が見える場所に来ると、空の明るさに対する人の量に違和感がある。


そういえばこの時代ではアラタノオロチがなんだとかで夜間の活動がかなり制限されているのだった。となると夜に動けない分活動時間が朝に偏るのは当たり前なのか。今は春の終わり、間もなく昼が最も長くなる時期と考えるとこの人の多さも納得出来よう。



「......ん?」



アラタノオロチで思い出したが、なぜあの図書館は夜まで理奈を止めおいていたのか。

丁度暇なので聞いてみよう。



「唄」

「何?」

「店はもう開いてんだよね。そういう店って閉まるのは何時くらいなんだ?」

「満喫する気満々だねぇ。だいたい夕方の四時くらいかな?夏は六時くらいまで延ばしてるとこもあるけど」

「図書館とかも?」

「うん」



やはりあの図書館何かおかしかったのか。



「なんで図書館?欲しいのあるなら本屋で買うよ、返すのめんどいし、あそこなら大抵の本はあるし」

「あー、いや、そういうのじゃなくて。後で説明する」

「そう」



異常なものにはだいたい面倒で深い背景が眠っている。どこかで落ち着いて話せる時に話せばいいだろう。






そして、まずは本屋に行った。

天楼丸ごと本が詰まっているのに驚いた。唄におすすめを聞いたところ、



「それを私に聞いちゃうんだね!」



と言われて漫画というもののある階へと連れていかれ、漫画の読み方を教わった後一推しの漫画を熱く語られた。しかしそれらは持っているそうなので、今度見せてもらうことにしてなんとなく試し読みして面白そうだったものを幾つか買った。話によるとこれ一冊は短いと二ヶ月で作られているらしい。そんな速さでこの暑さの本が、しかもしっかり話を作って絵も描いて作られているなんて、正直早すぎて恐ろしい。なお、おすすめの漫画を語っている時の唄はやたら元気で少し引いた。

普通の本の階にも行った。なにか新しい知識でも得られないかと思ったが、基礎知識もまだ少ない中で応用に手を出すのは悪手なので、小説を二冊ほどだけで済ませた。




次に行ったのは服屋だった。

今日唄の本土に来た本来の目的は服の補充だそうで、まずは量販店で頼まれたものを籠に詰め込んで購入していた。

そこまでは特に何も無かったのだが。



「理奈さん、ちょっといい?」

「ん?」

「ほらさ、理奈さんの服って基本ぶかぶかじゃん、ちょうどいい服が今までなくて」



海底基地には、新参がいつ来てもいいように様々な大きさの服の新品が置いてある。しかし、理奈くらいの年齢の人間が入ってくるのはあまり想定されておらず、今まで一回り二回りほど大きい服と、最初に来ていた服ばかりを着ていた。



「そだね」

「だからちょうどいい服を探そうと思うんだけど、どう?」

「おお、いいの?」



そこからが理奈にとって本番だった。

十代前半用の服を売っている店に入り、そして様々な服を着せられた。かわいいもの、かっこいいもの、なんだかよく分からないもの、あらゆるものを渡され、着せ替え人形にされた。

悪い訳では無い。寧ろ有難かった。大きさの合わない服ばかりなのは、考えてみればあまり気持ちのいいものでは無いし、かといって一着しかないちょうどいい服ばかり着ることは出来なかったため、この機に自分の服を用意するのは良い事だ。それに、今の自分に様々な服を着せて楽しむというのは、前世では出来なかった楽しみだった。

また、目的の一つである嗜好の変化の確認も出来た。前世なら服装には興味がなかったが、理奈は、奇抜が過ぎない限りあらゆる服装に対して興味を持ち、似合ってさえいれば肯定的に捉えられる。少女に寄ったというより、少女的な範囲も含めて広がったと言った感じだ。


ただ、量が多くて少し疲れた。




その後は、とにかく街を歩いた。

本も服も、目新しくはあったが極論前世の頃にも存在したものがわかりやすく進化したものだ。今日見たいのは、訳の分からない進化の末に辿り着いたもの、そして期限を遡っても前世の頃には存在しないものなので、ひとまず街を眺めることにした。


まず見つけたのはガシャガシャと呼ばれるもの。お金を入れて突起を回すと、商品のうちひとつが出てくるというもの。欲しいものがあるなら沢山回さねばならない。まあ要はお手軽な賭けに売買を混ぜ込んでいるのだ。これを思いついた人間は相当頭の切れる奴だが、代わりに大切なものを失っているとも思う。


また、円盤屋というものがあった。円盤とは、直径が四寸ほどで、専用の機械に差し込むと、音楽や映像を流してくれるというもの。なんだそれは。なんでそんな大きさの板が音や映像を流せるのか。薄い円盤の中に一体何が詰まっているのか。なんにしろ音を記録するようなものは前世の頃には存在しなかったものだ。魔力情報記録魔法を用いればできないことも無いかもしれないが、店が出来るくらいの量産は出来ないだろう。


広場のようになっている場所に面した画面では、天気予報なるものが流れていた。雲が見えたり風が冷たかったりすると雨が降るのはわかるが、何時間も先の天気までも予測して伝えている。そんなことまでできるのかこの時代。どういう仕組みでやっているのか気になるところなので、帰ったら教科書でも確認してみよう。




そんなこんなで新しいものを見つけつつ歩いていたら、あっという間に昼になっていた。

三宿駅に戻り、線路の上にある広場の椅子に座って、途中屋台で買った棒付きの麦餅とやらを食べる。



「結構歩いたね」

「ごめん、色々気になっちゃって」

「いいのいいの、さっき本屋と服屋で振り回しちゃったし、今日の私は理奈さんの言うことを聞きます」

「そっか、ありがとう。......ふぅ」



ファーン、という音を鳴らして電車がやってくる。それに伴って吹く風が気持ちいい。

周りに人はほとんど居ない。今なら話してもいいか。



「図書館の話なんだけどさ」

「あ、さっきの?」

「そう。私海底基地に来る直前図書館にいたんだけど、なんでかあの図書館夜になっても開いてたんだよね。しかも夕飯に遅れるぞ、とか言って家に帰そうとするし」



アラタノオロチ説のせいで夜に外に人が出ない、だから襲われる心配がないのはわかった。だが、それならそもそも家に帰さないはずだ。



「初耳」

「経験とかの話するとどうしても前世ばっかり語っちゃって言い忘れてた」

「そうだったんだ......私にはわかることはなんもないかな。夜まで開いてるだけなら宿付きかもって思ったけど帰されるなら違うし」

「結局分かったのはなんか変ってことだけか。処理部隊が絡んでたりして?」

「だったらさっさと襲ってきてるんじゃない?夜になってる時点で。あいつらそういうとこ容赦ないよほんと、図書館の一つや二つ簡単に潰すよ」

「それもそうか」



(アスラ)も集落丸ごと消し飛ばしていたし、その通りだ。

結局分かったのはあの図書館が何かおかしいと言うところだけ。進展はほぼなし。柵によりかかってため息を着く。前世の時代がいつかも、こっちに来てからの謎も全然解決しない。どうしたものか。


朝に比べて電車は少ないようで一本も走っていない時間がある。その間は電車による風もなく、比較的静かだ。と言っても、脱力して街の音を聞くと、喧騒と車の音が入り交じっており静寂とは言えない。



「......ん?」



そうやって感覚に神経を尖らせたからか、何か、小さな違和感を捉えることが出来た。



「どうしたん?」

「や、なーんかん感じがして。何だろ」



違和感は目や耳、鼻ではなく、肌にあった。空中の何かがおかしいということだ。

神経を尖らせる。風、気温、湿度、空間の魔力、それらを感じ取る。



そして理解した。

魔力と空気の流れが微妙にズレている。

魔力は薄く、またそのズレも本当に小さいため、歩いていた時はおろか、止まっただけでも分からなかった。理奈ですら、体を動かさず、集中することでようやく認識できる程度の現象。

接続魔法をかけた内魔力をわずかに拡散させる。こうすることで、魔力にかかっている力を認識することが出来る。


目を閉じ、深呼吸して、接続魔法の魔力の認識に注力する。空気の流れ、音による変位、全てを考慮して流れの異常性を探る。



「............ああ?」



そう、その全てに、上方向への一定の力がかかっていた。下から押されつつ、上からは引っ張られるような力。



「何かわかった?」

「あ、いや、気の所為だ、大丈夫」



すぐさま唄に共有しようと思ったが、魔法処理部隊の索敵能力を思い出してやめる。魔法を使った時点でバレているかもしれないが、会話にしてしまってはこの異常性に気づいたことが確定したと伝わってしまうだろう。話すなら基地に帰ってからだ。


別の電車が入ってきて、少し強い風が吹く。すると、魔力のずれはすぐに感じられなくなってしまった。



「すごいなあ」



接続を切ったところで、唄がそう言った。



「いきなりどうした」

「いやね、もう既に色んなものを持ってるじゃん、力も頭も。それでも色んなことを知ろうとして、何でも受け入れてっちゃうよね、見てて思った」



なんだそんなことか、と思ったが、直ぐにその考えを正した。大きな力を持つもの、知識を持つものが普通どうなるか思い出した。



「......ありがとう。私からすればそんな凄いことじゃないんだけどね」

「謙遜しちゃって」

「謙遜じゃない。心の底からそう思ってる」



そうでなければならなかったのだ。兵士の英雄は、そうあることを求められた。



「味方にとっては頂点の存在は、言い換えれば後がないから絶対に負けちゃいけない。常に高みを目指さないと、停滞による敗北と人々の絶望に追い付かれる。特に今なんて、相手が何してくるか全く分からないからね。使えるものは使えるようにしておかなきゃ」

「さすが英雄って感じ」

「そもそも英雄自体褒められたものじゃないけどね。味方が沢山いて敵を沢山殺せばなれるんだから」

「そんな自虐しなくても」

「私にとってはそれが事実なんだよ。必要のない嘘と謙遜は嫌いなんだ」



英雄扱いされた瞬間英雄の運命からは逃れられない。そして英雄が嘘をつけば世界の難に繋がりかねない。そういう環境で生きてきたからこそ、クレイの人格は少し人間離れしたものになったのだろう。そして、なんとなくだが、これは何にも塗り潰せない気がする。



「ごめん、変な話した。次どこ行こうか」

「それは理奈さんの決めることでは?」

「そうだった、じゃあ───」



現代技術の粋が集まっているという、家電量販店とやらにでも、と言おうとしたその時。遠くから妙な気配がすると同時に、アラタノオロチ警報が鳴り始めた。



『三宿駅にオロチが出現しました。背を向けて逃げてください。』

「ええ!?夜じゃないのに!?」

「あっちからなにか来る!」



妙な気配の方向、広場の入口の方を見ると、外套に身を包んだ人が走ってきていた。そいつは思い切り踏み込み、地面を割って勢いよく飛んだかと思うと、



「ウアアアアアア!」



叫んだ。

すると、ミシミシという音と共に服が裂け、肉体が肥大化していく。人でも動物でもない、人の何倍もの大きさのある細い化け物になっていく。そして何より、魔力を感じる。



「拡散推進」



落下してきたそれを避け、触ることで推進魔法を拡散させる。こいつ自身が魔力を持っているため、その魔力を使う形で拡散魔法を掛ければ節約しつつ攻撃が出来る。

あらゆる方向に推進魔法をかけられたその化け物は、あっという間に爆散した。



「早っ」

「まだだ!」



だがこいつ、死なない。

散った肉片から意図が伸び、一瞬で結合してまた襲いかかってくる。

仕方ない。丁度オロチ警報で人の目は向いていないだろう。懐から現装引鉄を取り出しつつ、一旦化け物を推進魔法で遠くへ飛ばす。



「現装」



引鉄を引き、装甲を呼ぶ。相手は、肉片になってさえも生き延びるとんでもない生命力の持ち主。加熱魔法で焼くか、空間魔法でくっつける暇もないほどに切り刻むか。どうすれば勝てるだろうか。



「もしもし通信室?今未確認の化け物と交戦開始。転移魔法の用意をして」



唄は後援の準備をしてくれている。ならば理奈の仕事はただひたすらこいつを殺すこと。

飛びかかってきた化け物に、今度は加熱した剣を突刺す。凄まじい熱が体を焼き、化け物は苦しみの咆哮を上げる。そして直ぐに炭化して崩れるが、その煤と灰がまた形をなし、棘となって理奈を襲う。

一旦下がって回避すると、唄が叫んだ。



「理奈さんこれ!」



そう言って投げられたのは通信機。受け取って素早く装着する。



「こちら九礼理奈!こいつはなんだ!」

「こたら通信室神宮!今記録にないか探してる!」



探す必要がある程度には見られない存在なのか。面倒そうだ。

化け物は、炭化した身体を再生させている。そうはさせるかと切り込むと、体を硬化され、化け物は吹っ飛んだものの傷は付けられなかった。



「強化が必要か...は?」



その方向を見ると、化け物以上に信じられないものが見えた。

それは空の向こう、ずっと続いているはずの空の向こうから顔を見せた細長い何か。目は鋭く、口の裂けた、生命の形をした巨大な物体。


すなわち、大蛇であった。


見た瞬間、反射で叫んだ。



「唄逃げろ!」



唄にもその姿が見えていたようで、後ろに既に飛んでいた。あまりに得体が知れないので自分も逃げようかと思ったが、その蛇は口を開けて出鱈目な速度で突っ込んできた。



「理奈さん!」



唄のその声が聞こえたと同時に、避けきれなかった理奈は蛇に、化け物と共に飲まれた。凄まじい衝撃で壁にたたきつけられた。

即座に体勢を立て直し、何が起きたかを確認する。

ここは蛇の口の中。広場より少し小さいくらいの中に、一緒に掬われたであろう瓦礫が溢れている。どうやら化け物はその中に埋まっているらしく、気味の悪い気配がする。


そしてもう一つ、知っている気配。蛇の口の奥の方からゆっくりと近付いてくる。

警戒を怠らず目をやると、この前見たばかりの少女がそこにいた。



「...なんで居るんだよクレイ(お前)

「そいつはこっちの台詞なんだが」



(アスラ)だった。

この作品、結構きつい縛りの元で書いてるんですけど、そのせいで今週のア〇デラのhot syabuに共感を覚えました

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