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混血の竜騎士  作者: サガロワ
~序章~ 血は全ての始まり
5/10

遠足へ行こう!

01

騎士になって3ヶ月が経過した。

毎日の走り込みのお陰で、皆体力がついてきた時期である。

1ヶ月を過ぎた辺りから鎧を着ながら走るようになり、 今では鎧を着ててもあまり息切れせず走れるようになっていた。

慣れるまで時間がかかった武器も、今ではそれなりに扱えるまでに成長している。

それぞれが違う武器を扱うので武器毎に練習メニューが違う。

この練習メニューを教えてくれたのはルシウス部隊長だ。


「普通は結構まとまった武器構成になるんだが、以前私が教えていた奴らも君達のように武器がバラバラだったのでな。その時から、私は別々に練習メニューを考えている」

と言うことらしい。


「僕達の前にも教え子がいたんですね」

「ああ。私は今まで沢山の兵士を育ててきた、他国に派遣された者もいるな」

「僕達の前はどんな人達がいたんですか?」

「ちょうど君達のように様々な種族がいたな。彼らの実力はもう私以上だよ。現在彼らは私の元を離れて、今は別部隊として活動している」


隊長は自慢気に話してくれた。

部隊長よりも強い…

一体、どんな人達なんだろう。


「さぁ、休憩は終わりだ。再開するぞ。」

「はい!」

皆が違う練習メニューを持っている。だがその中で、2つだけ同じ内容のものがある。

それは部隊長との合同訓練と、魔法の練習である。

しかし、僕は魔法が使えないので皆が魔法の練習をしている間、隊長と訓練している。

そのお陰で僕の剣術は皆よりも上達している。

「はぁ!」

「もっと腰を低く!踏み込みは力強くだ!」

上達している。とは言ってもまだまだ隊長には敵わない。

僕の攻撃は簡単に受け流されてしまう。



一方カイル達は―

「ああー!でねー!」

魔力を操るのに苦労している。

体に流れてる魔力を石に送るのが難しいらしい。

「…………」

ニトは額に汗をかきながら黙々と練習している。

「……はぁ、駄目かぁ…」

普段陽気なクラインも、真剣に取り組んでいる。

誤解されがちだが、クラインは訓練中はいつも真剣だ。ただ、訓練外での行動が逸脱して目立っていて、そっちの方が印象的なだけである。


「うーん。むずかしいねえー」

「魔力を操るったいうのが初めてだから……」

アヤメとライナも苦戦してるようだ。


アルキールとニールはというと

「あ、出ましたね」

ニールは魔法石から拳程度の大きさの石を生成し放っていた。


バキィン!

「やったぁ!壊せたぁ!」

丸太を木っ端微塵に砕いたアルキールが、両手を上げて喜んでいた。


「アルキールー。手、大丈夫?」

音を聞いて近づいてきたアヤメが心配していた。


「うん!へいき平気!一つも傷ついてないよ!」

前に出した拳には本当に傷なんてついていなかった。

純正魔力で覆った拳は攻撃力と同時に防御力も増すようだ。

「もし傷が付いたら大変だよぉー。これ渡すから、傷が出来ちゃったら使ってねー」

アヤメはポケットから緑の塊を出してアルキールに渡した。

「…?これ、なに?薬草?」

「そー。これは皮膚を治す効果がある薬草を擂り潰して固めたものだよー」

「へえー、すごーい!アヤメって、薬草の知識があるんだね!」

「うふふ。実はお母さんが医療室で働いてるんだよねえー。それで自然と薬の知識が身についたんだー」



「おお!来たぁ!」

カイルは右手に持った魔法石から透明な波のようなものを出していた。

「なぁ、カイル!その風こっちに向けてみろよ!」

汗だくになってるニトが自分に向けるように指示している。

汗をかいたからカイルの魔法で乾かそうとしているらしい。

「あ~…ちょうどいい~…」

ニトに当たっている風は気持ち良さそうだった。

俺も当たりたいなぁ。

「出せたとは言ってもそよ風程度だったか…」

カイルは自分が出した魔法が弱くてがっかりしている。

その後もカイルは魔力が無くなるまで出し続けていたが結局、ニトを涼しくするだけに終わった。


そんなことがあって、訓練終了。

「皆、集まってくれ」

自由時間になり、皆で部屋に戻ろうとしていたとき、部隊長が呼び止めた。

「突然で済まないが、明日から三日間、遠征をしたいと思う」

「「「遠征?」」」

「うむ。簡単に言えば、遠足かな。」

「……えんそくぅ!?」

アルキールが目を爛々とさせていた。眩しい。

「っど、どこに行くんですか?!」

興奮しすぎて鼻から蒸気出てきてるよ…煙突じゃないんだから。

「シュメール地方の南側にキャンプにちょうど良い湖があるんだ。今回はそこに行こうと思っている」

「いやったぁー!」

あぁ、あの湖か。

でも、あそこって確か…


「隊長…あの湖って昔から魔物が出るって言うじゃないですか…。行っても大丈夫なんですか…?」


ニールが心配そうに聞いた。

そうだ。あの湖にはよく魔物が出るとお母さんから聞いたことがある。


こんな時でも、彼は冷静に考えられることに関して、僕は尊敬したい。冷静というより、性格が元々暗いというのもあるだろうけれど。

でも、彼の暗さは元気がないと言うよりも落ち着いた暗さを感じる。

僕の語彙力で伝わってくれればいいんだけど…


「安心しろ。ここ最近は、あの場所で魔物が出たという情報はない」

「そうですか…」


湖をパトロールしてる兵士がいるなんて、初耳だ。少しでも、魔物を国に近づけさせないようにしているのか。


「テント等の道具は私が準備する。君達には食料を頼みたい」

言って、隊長は僕達にお金と紙をくれた。紙にはなにやら食材の名前が書かれていた。


「その紙には買ってきてもらうリストがのってある。余ったお金は君達で好きなように使えば良い」

おお、余ったお金をお小遣いとしてくれるなんて。なんて太っ腹なんだろう、部隊長は。


「「「ありがとうございます!」」」

「うむ。では明日の朝7時ここ、訓練場に集合だ。それでは解散!」


こうして、明日から僕達は遠足に向かうことになった。

何かが近付いているとも知らずに。


ドドンと投稿!

夏休みの課題は皆さんいつ頃からやり始めるでしょうか?作者は中間からやり始める派です。小さい時は最後のほうにやっていたんですが、絵日記が大変だったので、高校から中間にやるようになりました。

遠足パートは三作で仕上げました。

まだまだ物語の本題に入っておりませんが、どうかお付き合いください。

作中では最後に意味深な文を残してますが、はてさてなにがおこるんでしょうかね?

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