死
30番と52番は破棄の部屋に入った。
そこは閑散としているが足場があり逃げるには十分だった。
とりあえず、足場を使って獣より高い所へ向かった。
「食われ放題だ…42番も食われてしまった…あれだけ温厚でいい女だったのに…。」
「ああ、俺も昨日慰めて貰ったばかりだ…。お前の言う実験台というのが当たっていたようだな…。」
破棄の扉から次々に人々が出てきて足場を登り始めた。
それでも獣は数を増しそれを許すまいと鋭い爪で引っ掻き回していく。
そこここに血が飛び散り獣達も足をすくわれていた。
半分まで食われて飽きられた体がまだ生きており、それでも生きようと逃げ場を探していた。
「嫌だ…こんな死に方は嫌だ…。でもどこに逃げればいいんだ…。」
「分からない…でもひとつ分かるのはあいつらここにも登って来るんじゃないかって事だ。」
「どうすればいい。」
「分からないが、向こうに扉がある。1度降りてあそこまで走って行ったら逃げられるかも知れない。」
「何言ってるんだ!あの扉が開くとも分からないんだぞ!」
その時、52番が悲鳴をあげた。
30番にしがみついてくる。
「おい、どうした!離せよ何を…」
そこまで言って獣が52番の下半身を引き裂いて内蔵を引きずり出しているのが分かった。
「うわああああああ!嫌だ!嫌だ!ここで死にたくない!もう二度と文句言いません!誰か布団に戻してくれぇええええ!」
次の瞬間、鋭い爪が30番の腹部に勢いよく突き刺さった。
「嫌だ…ぐふっ…死にた…くない…。」
30番は食われながら息絶えた。




