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be.-存在-  作者: 藤沢あき
ACT00.Prologue
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04 コズミック

 探偵派遣協会コズミック―――――

Cosmic Detective Staffing Association 通称CDSAとは、政府要人の警護から行方をくらませた猫の捜索までジャンルやステージを問わず依頼されれば何でも請け負うエージェント派遣団体だ。


所属エージェントを“探偵”と位置づけているのは、取り扱う“事件”の幅広さ故ということになっている。

しかし、それは表の顔で、真の目的は、事件の裏に潜み人間社会の秩序を乱す怪異を取締まることにある。


怪異とは いわゆる幽霊や化け物のことだ。

一般的ではないが、この世で起きる凶悪犯罪のその ほとんどが、これら怪異が放つ瘴氣の干渉を受けた人間によるものだとされている。


 人間には、恨みや妬み、それら負の感情から生み出される犯意や殺意などを理性で抑えるという機能が備わっている。

しかし、これが悪意ある怪異の干渉を受けると負の感情が規定値を超えて増幅し、歯止めが効かなくなる。

つまり、理性だけでは抑えられないほどに膨れ上がってしまうというのだ。


リミッターが外れた人間は、どんな背徳行為も辞さない。臆することはない。

欲望の赴くままに罪を犯す。

そして、そうした犯罪者の多くが精神を病んでいると診断され、事件が起きたこと自体がまるで仕方のなかったことのように取り扱われてしまう。

異常犯罪者となった“普通の人間”をこの世から消すことで恐怖を断ち切ろうとする。


そのような上辺だけの処置ばかりが淡々と行われるなかで、抜本的に犯罪の芽を摘んでしまおうというのが この組織だ。

つまり、凶悪犯罪を思い至らせた怪異を殲滅することを目的として活動している怪異専門の犯罪抑止機関―――――

それが、探偵派遣協会コズミックというわけだ。


 何故 武がそんなことを知っているのかといえば、何を隠そう神山家は先祖代々エージェントとして協会に所属し、実績も それなりに残してきた名家なのだ。


とはいえ、武は その分家の生まれであり、祖父母の死後、その一人娘で末代といわれた武の母親も現役を引退。

故郷である神奈川で、機関とは全く関係のない弁当屋のパート婦をやっている。


そういった経緯で、探偵やら幽霊やらと酷くオカルト染みたこの協会とは この先 一生関わることはないだろうと思っていた武だったが、まさか こんなにも唐突に関わることになってしまうとは。


これもまた運命なのだろうか。

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