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ちよすず物語  作者: ひな菊
55/60

学園祭2

ここから、本編でございます!


お付き合い願います!


そして、1時間後……。


現役大学生たちの手によって、生まれ変わった遥。ナースに、メイド、シスター、ありとあらゆる服を着せられ、選ばれたのは「セーラー服」でした。


短いスカートに、長い黒髪のウィッグを付けて、お化粧をして何処からどう見ても、女の子そのものだ。


「奥山グループ跡継ぎ息子、女装に目覚める」


「新聞の見出しみたいに言わんといてぇ……」




数名の生徒と、遥に千代しかいない教室。コスプレ喫茶は、少し休業という形になった。

遥が、色々と大変そうな中1人優雅に温かいミルクティーを飲んでいた。


「か、完成しました~」


そして、早くも10分後に遥の女装は完成した。


「おぉ~……お前、誰だ」


女装が完成した遥を見て、千代が呟く。まるで、別人だ。肩幅がある分、胸も詰めないとおかしいのでEぐらいまで、タオルを詰め込んだらしく、とてもボンッキュッボンッなナイスバディーに変身した遥に、千代は軽く舌打ちをする。


「そんなに、胸が欲しかったんですかぁ~?すみませんね、小さくて……」


「いやいやいやいや!! おかしいやろ、その反応!!千代の代わりみたいなもんやからな?!?」


「はいはい。わるぅーございました。遥ちゃん」



『ちゃん』を、強調して再び舌打ちをする。




「千代ちゃん!!遥ちゃんだって、好きでやってるワケじゃないんだよ??」




迷涼が、遥の後ろからひょっこりと顔を出して呟く。



「じゃあ……沖宮 小春ちゃん」


「それなら、よし」


「名前の問題ちゃうでッ?!?」


「いいんですか~?あの奥山グループの跡継ぎ息子が、本当に女装癖があったなんてマスコミにバレたら……」



おお……怖い怖い。と、両手で自分自身を抱きしめる千代。



「だ、誰がマスコミにリンクするん?」


「私だ」


「千代かいっ!!」


まるで、夫婦漫才の様な2人を見て声を上げて笑い出す女子生徒たち。


「でも、あと1人くらい女装させたいよね」


「ああ、客寄せ的な感じでね」


「でも……誰が」


女子生徒たちは、女装させる楽しさを知ってしまったのか、もう1人餌食になる人物を探していた。


そこに。


「お前ら、いつまで……店閉じてるンだ?」


現れたのは、七倉 陽平だ。


その後ろを、笹木部 右京が迷涼に会いにやって来ていた。


七倉は、遥の姿を見るなり。


腹を抱えて笑い出す。


「あはははははははははははッ!!ぐはっ!やっべ!!息できねぇ!!!つ、ツボには……入ったぁぁぁぁぁあッ!」



膝を、床に付けて涙が出るまで笑っていた。そんな、七倉を見てはる……小春は、笑顔で指をボキボキと、鳴らして七倉に近付く。



「え?や、な……や…やめろぉおおおおおおおおおお!!!」


お忘れでしょうが、小春ちゃんは生粋の武闘派。


そんな、七倉を見ながら右京は手を合わせお祈りをする。


~5分後~



ボロボロで、床に倒れている七倉を見て、必死に笑いを堪える右京と、千代。



「全く、僕に勝てるわけ無いくせに挑んでくるとかバカちゃう?」


「今に見てろよ・・・ぜってえ・・・泣かす」


 虫の息で、床に倒れている七倉を見て右京が笑顔でこう答えた。


「無理だね」


「お前は、どっちに味方なんだよ」


「そりゃ、可愛い女の子の味方だよ」


 ねっ。と、隣にいた迷涼の肩を抱きしめる右京の頭を軽く殴りつける千代。


「軽々しくすずに触らないでもらえるかしら」


「千代ちゃんって、気が強いよね」


 千代に近付いて、彼女の腰に手を回し顔を近づける右京に、千代は真顔で答える。


「まぁね」


「夜の方はどうなのかな?」


「ふふ・・・知りたい?」


「うん。とっても興味があるな」


「それはね」


 周りの女子生徒達が、二人のやり取りを聞いて目を覆う。しかし、すぐにもう片方の腕を遥が掴み引き寄せる。


「それは、僕だけ知ってればええの」


「あら・・・まぁ、人のものに手を出すほど僕も女の子には苦労してないから良いけどね」


 軽く手を上げて、自分は危害を加えませんアピールをして、笑顔で遥見つめるが、当の本人は千代に触れられた事が許せなかったらしく、今にも殴られそうな時。


「ふぁぁぁあああッ・・・。右京?ここですか?」


 そこに現れたのは、眠そうにあくびをして部屋に入ってくる龍夜だった。

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