千代の過去編2
ーーねぇ、神様?私ってこの世に必要なの?中二病みたいなこと聞いてごめんなさい……こんな、私でごめんなさい。
~千代の過去・5歳~
私は、自分のことを表すのが、凄く苦手で……小さい頃から、ずっと母親が私の気持ちを、分かってくれていた。
父は、いたりいなかったりが多く、いつも私は母と二人。優しくて、面白い母。
そんな、母が大好きで大好きで愛してた。
母が似合うと言った洋服を着て。
母が美味しいと言うご飯を毎日食べて。
母が、つるんでいいと言う友達と遊ぶ。
それは、それで私幸せだったし、コレが私の日常だと思っていた。
でも、その日常はある日、突然音を立てては崩れだした。
それは、まだ私が小学生だった頃。
良く一緒に居た女子友達の言葉が原因だった。
「ちよちゃんの服、いつも可愛いよね!でも、ちよちゃんて、ろっく系の服も似合うと思うな!」
「うん!私もそう思う!黒い洋服も似合うよ!」
周りの友達も、賛同していたのを私は、しっかりと覚えている。
確かに、当時の私の服装は花柄のフリフリのワンピースや、ピンクの乙女らしい服装が多かった。
学校から、帰るなり私は母に呟く。
「お母さん!!」
「あら、千代ちゃん。おかえりなさい、おてて、洗ってきなさい?今日のご飯は、千代ちゃんの大好きなオムライスよ」
「あ、うん! あのね!! 」
「なぁに?」
母は、リビングで私の服を畳んでいた。やっぱり、私の服は白や、ピンク、淡い青といった服ばかり。
「私ね、ろっく系の洋服が着てみたいな!」
私の言葉に、母は、ニッコリと微笑んで口を開く。
「なにを馬鹿なこと言ってるの?千代ちゃんは、花柄のフリフリな洋服が似合うのよ?」
「でも!お友達のえっちゃんが、言ってたよ?私は、黒い服も似合うよーって!」
今思えば、この言葉が初めて、私が母に対しての反論だった。
「黒?!ありえないわ!!いい?そんな、お友達、お友達でも何でもないわよ?」
でも!!と、続けようとした時母は、私の肩を持ち目を見開いて、口を開くのだ。
「いい?!?千代は、お母さんの言う事だけ聞いていれば、良いの!今まで、間違えなんてあった?ないわよね?千代は、お利口さんだから、分かるわよね?」
逆らったら、ダメだ。という、なんとも言えない恐怖感が当時の私を襲った。
「はい……お母さん」
私が、諦めると母は私の小さな背中を抱きしめた。
「お母さんは、誰よりも貴女を思っているのよ。それは、分かってね……千代。」
そして、私が中学生になったある日こと。父が、当時の私より少し年上の男性を連れてきた。




