スキー&温泉旅行7
ーーごめんね、お母さん。
『~ッ!育て方間違えた!!』
『アンタは、なんでそんなにココロが弱いの?!!』
『アンタは、本当は流産するはずだったのよ!』
ーーこんな私で……ごめんね。
ーー許してなんて言えない……でも、お願い……私を……。
ーー自由にして。
「……ちゃん?千代ちゃん!!」
「ふぇ!?ああ、ごめんね…遥さん。ちょい、フラッシュバックした」
「昔のこと?」
心配そうな遥を見て、彼の胸板に背中を預けた。
「大丈夫……私には、遥さ……ハルくんが、いるから」
「だったら、嬉しい」
ーこれもまた、一種の『依存』なのかな?
彼の頬に、手を添えて微笑む千代。
「愛してるで……千代」
「知ってる」
そこに、お茶を買いに行っていた迷涼が帰ってきた。
「もう、2人ともイチャイチャしてぇ~」
「すずっ!!?」
急いで、離れようとした時が遥がそれを許さない。
「スズちゃん、僕たち……本当に付き合うことになったんやで!」
心底、嬉しそうな彼の顔を見て、まるで槍が胸の奥に、刺さったような感じがした。
しかし、彼女はいつもと変わらない笑顔で、一言呟いたのだ。
「おめでとう」
ーー私は、また自分に嘘をついた……。




