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ちよすず物語  作者: ひな菊
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最悪の出会い

~現代文、講義~


「えっとー、ここの意味は…あ、イケね。資料忘れた」


現代文担当のー七倉(ななくら) 陽平(ようへい)


高身長、爽やか笑顔、だが金髪、元ヤンの香りがぷんぷんしている。


「誰か、仮眠室から現代文の資料持ってしてくれねぇか?」


そんなことを、そっちのけで締め切りが近いホラー小説を必死に書いている迷涼。。。


「おい、兎菓子!ちょいと頼むわ」


「え?なにがですか?」


聞いていなかった。理由を聞いてから、まぁいいかと、返事をして一人仮眠室へ向かった迷涼。


職員室の隣に、『資料室』と書かれた部屋がある。迷涼は、この教室に入るのは初めてだ。


中は、真っ暗で、教材などの奥に高級そうなソファーがあって、白い布が被さってあった。


「ゴホッ!埃臭い!!」


とりあえず、こんなに暗いと探せない。と、ソファーの後ろにあるカーテンを勢い良く開けた。


日差しと共に、気持ちの良い風が入ってきた。


すると……。


「ま、眩しい」


「きゃあっ!!」


なんと、ソファーに男が一人眠っていたのだ。


ムクっと、起き上がり寝惚けた眼で、迷涼を見つめる。


「折角、寝ていたのに……安眠妨害もいいところだ」


「ご、ごめんなさい!」


「何をしに来たのですか?」


ソファーに、男が寝ていたということに驚き過ぎて、一瞬なにをしに来たのか忘れてしまっていた。


「あ!資料です!!現代文の資料がなくて…どこにありますか?」


「ん」


男は、黙って目を擦りながら本棚に指をさす。


「ありがとうございます!」


ガタガタと、椅子を揺らしいつ倒れてもおかしくない状態の中、あと少しで取れると背伸びをする。


「あ!取れた!」


だがしかし、椅子が傾いてしまいそのまま彼女は、沢山の本と一緒に、落ちる。


「やっ!」


目をギュッと、閉じる。しかし、いくら待っても痛みは来ない。。。


「全く、良い安眠妨害ですよ」


彼女の胸にすっぽりと収まっていた。


「ご、ごめんなさい!!お怪我は?」


「イヤ、俺よりアナタですよ。大丈夫ですか?」


「はい!あ、私 兎菓子 迷涼。と、申します」


「ココで自己紹介ですか?まぁ、いいですけど、笹木部(ささきべ) 龍夜(りゅうや)です。一応、教授です」


「え!!?」


彼の正体に、驚きを隠せない迷涼。


そこに。。。


「あ、やっぱり、ここにいた!」


「七倉…」


「七倉教授!」


資料!死ぬ気で取りました!と、付け足して、駆け寄ってきてくれた彼に渡すが彼は、えげつない一言を、彼女に呟く。


「あのな、もう講義終わったんだよ」


「え?」


思わず、石化してしまいそうになる迷涼。


後ろで、クスクスと、笑っている声が聞こえてきた。


「もう…ヤダぁぁあぁあ」


この人たちとの出会いで、彼女たちの愛してきた日常が、変わって行くのだ。

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