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ちよすず物語  作者: ひな菊
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真実


とりあえず、足の痺れも取れた七倉と、千代。


千代は、迷涼に忘れていたお弁当を、渡した。


「わ、私仕事戻らないと……すみませんでした」


「まっ!千代ッ」


彼女の、手を掴もうとした瞬間。


「触らないで!……下さい。私には、もう他のプリンがあるの」


さよなら。と、だけ言い残してその場を去る千代。


「まだ、プリン……引きずってるのか?」


プリンが、ツボになった笹木部兄弟。。。


「他のプリン……あー!遥ちゃんのことかな?」


迷涼の、言葉にピクリと耳が動く七倉。


「遥ちゃん?まさか百合?!百合なのか?!俺が、プリン食べて!?ゆ、百合っ?!」


一人頭を、抱える七倉に、迷涼は彼を指さし龍夜に尋ねる。


「七倉教授ってバカなの?」


「見ての通りですね」


「あー、バカなんだ」


一人、右京は二人が別れた理由に未だにウケていた。


「七倉教授~。遥ちゃんは、男の方ですよ」


「男?」


「はい」


「オトコ?」


「なんでちょっとアメリカンに言うんですか?まさか……七倉教授て、まだ千代ちゃんのこと……」


「好きだよッ!ずっと好きだわ!!!」


悪いか?!と、顔を真っ赤にして迷涼たちに心の奥にずっと閉まっていたモノを吐き出した想いだった。


「え……キモイ」


「アレは、もう手遅れです。近付いたらだめですよ。バカが、移ります……下がって」


「てめぇら、俺の純情を踏みにじりやがって!!」


やっと、笑い終わった右京が、七倉の肩に手を当てる。


「任せて、俺は七倉くんの味方だよ」


「めっちゃ笑った後に言われても、信用ないって分からねぇか?」


「俺も今、ある子達から告白されてるんだよね」


「お前も恋の悩みがあったのか…」


七倉は、言ってみろ。と、付け足した。右京は、自分の、胸に手を当てて口を開く。


「彩音、佳代子、リサ、小春、れな、秋峯、葵、寧々、陽向、心、奈緒、朝日、桜、春奈、夏子、海香、由紀子…続く」


「寿限無か!!!!!」


思わず、ツッコミを、入れてしまった七倉。


「しかも、続くんだ……」


龍夜の、影に隠れてボソッと、呟く迷涼。


「前より減ってますね」


「あー、半分くらいの子にはもう、飽きたから。ね?わかってくれたかな?俺が、七倉くんの味方だって」


「よぉーく、分かった。敵だわ」


「我が弟ながら、クソですね」


いつもの営業スマイルで、流す龍夜。


『かすみ大学』の、大人気で幻とまで言われていた教授たちの、正体を知ってしまった迷涼は、とても複雑な気持ちであった。。。


チャラくて、軽そうに見えるけど生徒の気持ちを、良く理解してくれると言われていた現代文担当の七倉教授は、恋愛に関しては、奥手でなかなか、やり直そう!と、言えないチキン野郎。


優しくて、細マッチョ、紳士的で、社交的と女子の人気が高い右京教授は、実は女たらし。


そして、最後は姿だけを見れただけで、激レア、神様並に祀られていて、ネッシーに、人魚、ミュウ〇ーと言われている化学担当の龍夜教授は、極度の引きこもり。


まだ、龍夜がマシだと思う当たりでもう迷涼も、このワンダーランドから抜け出せなくなったのかもしれない。

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