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第三皇女は魔族がお好き  作者: きのこダンス
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 私、ミリアンヌ・クレストリア・アルトバルンは傍から見ても明らかな程そわそわしているという自覚がある。


 というのも今日から家に新しい執事が来るからだ。


 先代の執事が亡くなってからというもの、この家に執事としてくる人材はいないと勝手に考えていたらその息子が執事として配属される事になったらしい。


是非とも知りたい事が山のようにあるのだ。


 そして何より私の大好きな先代執事、ディックの家族がうちに来てくれる事が凄く嬉しい。


何かの縁で家族が増えるってとっても幸せだ。


 そもそも執事って職業は親子でなれる程甘い職業じゃあない。


 家柄、血筋は勿論、知性に体力まで必要な、正に英知を極めた職業なのだ。


 それを親子二代でだなんてどんな教育を彼らは受けてきたんだろうか。


 私の足りない脳みそにその賢い脳汁を塗りたくって欲しいくらい。


 ここで豆知識なのだが、本来ならば執事を召し抱えられるのは名門貴族と王族のみといわれている。


 それなのにうちにはどういう理由からなのか執事が居たりする。


こんな成金臭漂う商家に、である。


これはきっとわたしの知らない心ときめく何かの理由があるに違いないと考えて差し支えないだろう。


 もしかしてお母様が物すごーく名家のお嬢様だったとかどこかの国のお姫様だったとか!!


 なんせお母様は怒ると鬼のようだがはっきり言って美人だ。


 もし出生の秘密があったとしても私は驚かないぞ!!


 というか頼むからもっと私にその美人遺伝子を残してくれ!

 

……さてはお父様の遺伝子が邪魔してるのか?


 この執事の件に関しては、今までも家族に根掘り葉掘り聞いてみた事はあるが、両親も兄達もすぐ言葉を濁して教えようとしてくれないし、誤魔化されるか逃げられて終わってしまうので私だけが何も知らない。


お兄様たちですら、ただ知らないから誤魔化してる風ではなく、恐らく何かを知っている筈で本当に私だけが仲間外れなのだ。


まだうら若いからって家族を騙すなんてヒドイ。


だからこそ新しい執事が来たら次は執事に根掘り葉ほり舐め回す様に聞いてみる心づもりでいるのだ。


 あ、ちなみにどうでもいい話だが、お父様はお母様の様な名家うんたら……。やどっかの国のなんたら……。のどちらも無いってなんか理由はないけど断言できる。


 そこはかとなく漂う成金臭が、こんな麗しい母親を奥さんにもってすらこの人高貴な血筋と違いマース!ってちゃんと私の脳内と駆け巡るからだ。


 あれで名門貴族とか高貴な血筋とか言われたら、我が親の事ながらちょっぴし引くし名門貴族や高貴な血筋にがっかりだわ。


うちのお父様、メイドに黙って起こしに行くと寝っぺとかしてるしな……。


とにもかくにもそんなどうでもいい事は差し置いて、私は知りたい事がいっぱいなので一刻も早く新しい執事が来てくれるのを待ち望んでいた。


 とまぁ、私の思考回路と裏腹に、この後事実をすぐに知ることが出来てしまった私。


出来てしまった私だが、後からこんなよくわからん事態になるなんてこの時の私は全く思いもしなかった……。


……なんて使い古された少女マンガのような台詞を日記に書き記す羽目になるなんて本当にこの時の私には思いもしなかったわよ!!!

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