2
入学式。
体育館。
所属クラスは校門を入ってすぐの掲示板に張り出されていた。
1年A組。出席番号26番。不動あたる。
教室に向かうことなく直接体育館に案内された。
中央部、整然と並べられた椅子に座る。
正面に舞台があり、校長先生のお顔とありがたいお言葉を拝聴できるであろう絶好の位置。辺りを見渡すとほとんどの席が埋まっていた。
もう間もなく、式が始まるのだろう――――。
結論から言おう。
寝てた。
校長先生のありがたいお言葉「で、あるからして」のカウントが30を超えた辺りで意識がなくなった。
「で、あるからして皆も悔いの無いよう有意義な学生生活を送って頂きたい。で、あるからして―――」
「校長先生、そろそろお時間も押していますのでその辺で…」
司会の人ありがとうございます。
いいタイミングで目覚めたようだ。時間を確認すると40分弱進んでいる。
なかなかの全体眠り攻撃だ。
すごすごと退散していく校長先生と変わるようにして、一人の生徒が壇上に上がった。
これが生徒会長、皇 聖華を初めて目にした瞬間だった。
「諸君、入学おめでとう」
腰に届きそうな黒い髪と、女性らしい体形。
腰は折れそうなほど細いのに、出るところは出てる。
小さい顔に切れ長の目。身長は女性にしては高い方だろうか。
その可憐な唇から紡がれる言葉には、力があった。
「君達はいろいろな思いを胸にこの場に座っていると思う。新たな生活、新たな出会い、新たな門出に不安を抱いているかもしれない」
そういって、会長は見渡した。
視線が合ったと思ったのは僕だけだろうか。
「しかし、臆するな。一歩を踏み出せ。その先に必ず得るものがある。私はそう信じている。そして私は、仲間を探すためにここに立っている。世界を掴もう。共に歩こう!興味があるものは尋ねてくれ。歓迎しよう。以上だ」
僕達を置き去りにして、颯爽と立ち去っていく。
そんな会長への第一印象は、わけがわからなかった。




