「俣」-ACT.1
無線機を設置し、思う。
地獄で電波を拾ったら、中継者の声、聞こえてくる絶対。
中級アルゴリズムの取り合い、そこは「俣」で行われている。低級地獄人ウマ(男)は、暗い石床の地面からの湿った気を進みながら狭い部屋から見える範囲内で聳え立つ階段に 。アルゴリズムを得るだけで難しい、と謳われる地獄、人生で個人がまとも得るアルゴリズムは指で数えられるしかないらしい、だのに階毎に平らなアルゴリズムの鎮座は数えられない。仕組みを訝る。人をシンボルと再び捉えなおし、時計の針で回す複雑自在な歯車が、人類の進化ぶりと映るは当然なれども、シンボル自体いじれるとは出来るだけ伸ばすぎりぎりの業か、ゆっくり登る行為もいんちきのプログラムと疑うべきだが。低級にある歩は惨めな足。階段が軋むと、神経を注意され遍く下級地獄人たちが見守る。価値を値踏み、らしい、平らでなければ。ずっと監視。蜃気楼さながら平らな場所を消されていく。低級へ臨()は 。しばらく暗さが過て、今度。中級地獄人たちが周りにいる。上級地獄人たちのお喋りがちらほら遠くの宙()を舞っている。ざわめきが、起こる。歩く音。応援してくれている気も掻き消された。平ら、だ。皆違う方向を向いておしゃべりしている。
楕円状の壁のない大きな床だ。心臓より離す側へ立っている鎧の審判は腕を組み、無言。頭上へ、「風の旋律」と脳裏響く、中位のアルゴリズムの輝きだ。
ウマは堪えて、幽霊の様な気配を漏らす弱い息で、立って相手を辛()に、気を引き締めれば。笑顔で腕を組み待っている。ありがたい。
「さて、いいかな。」
言うのは<死喰>師データ(女)。
データから理、
まだ階段を進み
平らな へ立てる
下位アルゴリズムの輝きに。「音、コネクト。」であり。
苦労性で無く○鹿か、人の世、成長する順序へ育み理想論は嘲 。
地獄に訪れて、お昼寝だけで済ました男は言って去る。
「帰ってくるんじゃないよ~。」
って。




