第八話 歴史の傷痕
今回はすっごく短いです
私達秘封倶楽部は稲荷大社にへと向かうべく、朝なのに誰も乗っていない電車に揺られていた。日曜日は大体こんなものである。
「蓮子?」
隣に座っていたメリーが話し掛ける。
「何?」
「さっき稲荷大社に行くのはまだ理由があるって言ったわよね。その理由って何なのよ」
「実はあの稲荷大社の稲荷山の山頂には天然のくせに枯れない植物があるって話なんだよ」
「なるほどね。蓮子は私に観光案内をしろと?」
一発で私の作戦がバレてしまった。
「流石メリーは鋭いね。なら話が早いよ。ねっ、お願い!」
メリーは一度だけだが稲荷大社に行ったことがあった。私はに行ったことがなかっので天然植物を見るついでにメリーに観光案内の依頼をしたのだ。
「はぁ……仕方がないわね。分かったわ」
「やった!」
喜んでいる私に対してメリーは顔を車窓に向かせてぼーっとしている。
「どうしたの? メリー」
「いや、ここも変わったなって思っていたのよ」
「何今更老人みたいなことを言っているんだよ」
「いや、だって。前まで沢山あったはずの天然植物は全部合成化したのよ?」
風の音しか無い電車の窓からは、遠くに沢山の枯れない木が生えている並木道が通り過ぎて行くのが見える。
「それは仕方がないよ。いまだに酸素を作り出す方法は植物の光合成だけだし、人口が増えて二酸化炭素が充満するし」
メリーは大きく溜め息をした。
人を幸せにするために行っているのに、逆に不幸にしているようなら止めて欲しいもの。何故日本のリーダーは不幸になる事を行うのだろうか。
「どうしてここまでして日本を変えたいのかしら。ここもいずれか自然のないボロボロな国になっちゃうわ」
「自然ならまだ沢山あるじゃん」
「?」
「この世界には鳥や虫、星、宇宙! たっくさんあるじゃん!」
「鳥や虫は分からないけど、確かに宇宙とかは永遠不滅ね」
「でしょ! だからそんなこと言わないの」
私は隣に座っているメリーの肩をパンパンと叩く。
「そうね」
それから私達は話す事がないまま稲荷駅についた。
前書き通りすっごく短いです。八百字辺りですね。
宇佐見さんはしょうもない依頼をハーンさんに押し付けたようです。