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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第三章 中国陰陽観光 ~ Profit Is Matchmaking
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第四六話 水族館にて

今回はただの観光です。

 うーん。今日は何処に行こうか……。

 私達は朝の旅館で目を覚ましたところだよ。行き当たりばったりのこの観光旅行。そういえば、歴史のある所しか行ってないね。今日は遊園地とかにしようかな。

「蓮子ー。今日は何処に行くのよ?」

「今日は……」

 ガイドブックをぺらぺら捲り、一ページ、一ページ目を通す。本州の一番端にある市、下関に行こうかな、とも思いながら目を通していくと、ある一ページに目を止めた。

「巌流島とかどう?」

「巌流島ぁ? どういう所だっけ?」

「巌流島は宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で有名な無人島だよ」

 前に言った瀬戸内大震災による津波と地震で、結構荒れてて面積が小さくなったんだよね。それでも、観光客はそこそこらしいよ。

 そういえば、近くには水族館があるみたいだね。ついでに行こうかな。

「んー……何にもないの?」

「近くに水族館あるけど」

「なら行こうかしら」

 今日の行き当たりばったり旅行の行き先は水族館と巌流島に決定!

「なら、決まった事だし早速行こう!」

 私達はチェックアウトをして、電車で水族館の近くまで向かった。



 ━━━━



「色々いるわー」

 宇宙もそうだけど、海もいいよね。深海旅行とかもよかったかな? 今時は混んでるだろうけど。

「本当。でも、まだこの中にもいない魚って沢山いるんだなって思うと、私達ってやっぱりちっぽけなものだよね」

「本当ね」

 宇宙までには及ばないけど、地球の七割を示す海。そのおかげで''地球は青かった''なんて堂々と言えるんだよね。

 沢山の蛸壺に数匹の蛸が隠れているのを見て、私はまだこの世界に秘めている事を見つけられないただの人間なんだって思う。でも、そう思うと凄く悔しいから、全部見つけ出したいって思っちゃって、とっても興奮するんだ! 秘め事を見つけた先にはロマンがあるっ!

 って、私何言ってるんだろ。つい興奮しすぎたよ。

「蓮子」

「な、何?」

 メリーに突然尋ねられたから吃驚しちゃった。

「海ってなんで青いんだっけ?」

「ん? 海が青い理由? それはね、太陽光に含まれる、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の青以外の色は全部海の中に吸収しちゃうんだ。それで残った青の光が海の表面を跳ね返るから、その光が私達の目に入って青って認識するんだよ」

「蓮子は頭がいいのね」

 なんか久々に誉め言葉を貰った気がする。前に誉め言葉を貰ったのはいつだっけ?忘れるくらい前かな?

「そう? それはどうも」

「まぁ、私もそのくらい知ってるけどね」

「えっ?」

 私、まさかの騙された!? わー、分かってた事を当たり前のように語っていた自分が恥ずかしい……メリー酷いよー。

「まさか本気で分からないと思ってたの?」

「もぉ! メリー、分からない事を言ってよぉ!」

「ちょっとからかってみたかっただけよ」

 からかってみたかっただけって……恥かいたよ。

「あら、もうすぐイルカショーがあるみたいね。行きましょうよ、蓮子」

「う、うん。いいけど」

 私達はイルカショーを見に、屋外にあるイルカプールに行って、プールから一番近い席に座った。観光客が多いねー。特にちびっこが。

 前の席って水が掛かるんだよね。メリーったら、海水に掛かる事ってあんまりないから丁度良かったわ! なんて言っちゃって。子供に戻ったみたい。今時の大人がー、恥ずかしいよ。

 今は十一時三十二分三十秒。イルカショーは既に始まってた。

 イルカ達は優雅に泳ぎ、アシカが投げられた輪を見事に首を通していく。

 そしてショーの途中、イルカがプールの端に沿いながら、飛んで水面に体当たりをした。勿論、体当たりされた水はプールを飛び越え、前の席に座っていた人達にダイブした。もうびしょ濡れ。メリーは楽しそうだけど。本当は私も楽しいのかな? つい騒いでいる私を感じて思った。

『さぁ、このイルカショーも終盤です! 今からこのイルカ君があの下に下がってくるボールに向かって、大ジャンプをします!  カメラの準備をして下さいね!』

 そんなアナウンスが流れていたら、私がどれほど楽しんだのかが分かった。

 私は無意識の内にスマホのカメラ機能を画面に出していた。でも、綺麗に撮れるかな?

「もう最後かー。もっとやってほしかったわ」

 その気持ち、分かるけど、どんだけ子供に戻っているの? 年齢にすれば四歳くらいかな?

「そうだね」

 カメラ画面をじっと見ながら構えていたら、イルカが助走を付けるために、水中を走った。そしてあのボールに向かって━━

 私はイルカがボールに触れる前にシャッターを切った。その後、イルカは水の中に綺麗に入った。

「おー!」

 メリーが興奮している。私もしている。別の意味でね。

 私は撮った写真をすぐに見た。ブレなく綺麗にボールに触れているイルカが写っていた。大丈夫みたい。やった!

「どう? 撮れた?」

「うん。どう?いいでしよ?」

 私はさっきの画面をメリーに見せた。

「綺麗っ! 流石蓮子。見極めもいいのね!」

 今度はちゃんとした誉め言葉だといいな。

「終わったことだし、次見ようか!」

「ええ!」

 館内に戻って色々見た。京都では滅多に見れない生きたトラフグ。白くて可愛いスナメリ。偉大にそびえ立っキングペンギン。どれも見ていくのが楽しかった。彼らには秘め事があるのかな? あったら見つけたいな。



蓮子とメリーが呆れるほどおかしくなっていましたw

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