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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第三章 中国陰陽観光 ~ Profit Is Matchmaking
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第四五話 入って潜って結界暴き

 この中国地方旅行も、もう半分だわ。本当に日が経つの早いわね。

 私達は本州の端にある山口県に着いた。本州の端かー。なんか、そんな気がしないわ。

「さて……何処行こうか?」

 山口県って何があるのかしら?んー……。

「錦帯橋?」

 とっさに思いついた所が地味な場所だった事に、自分でも驚いているわ。

「なんか……予想外の答えが出てきたね」

「そ、そうかしら?誰でも思いつくのじゃないの?」

 自分でも予想外の事は知ってるけど、思いつく人もいるかもって思って、咄嗟に言った。

「そうかな?私は秋芳洞かと思ったけど」

「そこも地味じゃない?」

「だってぇー! そもそも山口って地味なんだもん!」

 言えてるわね。他の県も一緒だけどね。

 私達が山口県の観光地が言えただけでも凄いのかも。

「じゃあ……両方とも行く?」

「そうしようか。じゃあ最初は錦帯橋?」

「そうね」

 錦帯橋。下を潜ってみたいわね。橋の裏の構造を見てみたいわ。



 ━━━━



 時間が流れて、私達は秋芳洞入口の滝を通り過ぎたところよ。錦帯橋は行ってはみたけど、あまりにも平凡すぎたからカットね。

「広いねぇー」

 暑い夏だけど、中はひんやりしてて冷たいわ。

 因みに、洞窟内って常に同じ温度だから、冬、この洞窟より寒かったらこの中は暖かく感じるみたいよ。

 中に入って最初に目に飛び込んできたのは百枚皿よ。さて、今日のお昼ご飯の皿の上には何があるかしら? カルシウム入りの水?

 結構涼しいのに人がいない中、私達はどんどん奥へと進んだわ。

 一度足を滑りそうになったわ。あー、怖かったわ。

 そういえば、洞窟ってたまにコウモリの糞が落ちてくるみたいよ。付いたら取れないのよね……。気をつけて進まなきゃ。

「おー……大きいね」

 いつの間にか黄金柱の近くに居た。

 黄金色の流華石は天井から地面まで伸びていて、この洞窟を一本で支えているかのように太かった。

 そんな柱には滝のような模様があるわ。

「綺麗ね……あっ」

 私は奇妙な物を見つけちゃったわ。多分、見つけたくない物。

「どうしたの? メリー」

「穴……」

 そう、私の見つけた物は穴と言う名の境目よ。その境目は綺麗に丸く出来てて、中は真っ暗ね。気味が悪すぎて入りたくないわ。

「穴?」

 私の言った意味が分からないのか、蓮子は私を見て首を傾げる。

「ほら、あそこよ、あそこ」

 私は手を蓮子の目に当てたわ。そうすれば、私の見ている、見ないはずの物が見えるようになるのよ。蓮子には見えていないみたいだからね。

 蓮子にしかやった事がないから、他の人には出来るかどうか分からないけどね。

「おおぅ……あれの事?」

「ええ、あれよ」

「今までの物と比べたら……なんか綺麗に出来てるね。って、いつまで当ててる気?」

「あら、ごめんなさい」

 私が当てた後は少しの間だけだけど、効果が続くの。その事を当然知ってる蓮子だから、私は蓮子の目から手を離した。

「なんか怪しいのよね、あれ。でも入りたくないわ」

「えっ? なんで」

 うわっ……嫌な予感しかしないわ。私の勘がそう言っている気がする。これは気のせいじゃないわ。

「まさか、入りたいの?」

 蓮子は首を縦に何回も振った。

「メリー行こうよー!」

「え、えぇぇぇぇぇぇ!? ちょっとぉぉぉぉぉぉ!?」

 蓮子は私の手を掴み、強引に境目にゴーイングした。駄洒落ね。ごめんなさいねー(棒)。

 そんな事を思っている間に私達はあの気味が悪い(結界)の中に入ったわ。また結界暴きの始まりだわ。原因は勿論、蓮子の好奇心。



 ━━━━



 さっき滑りそうになって怖かったって言ったわよね? それよりも怖かったわ。あー嫌だ。だから入りたくないって言ったのに……。

 後ろを振り返ると、もうあの境目はなくなっていたわ。

 私はその場で息切れをした。

 あの時、蓮子は私の手を掴んだまま、あの結界の中に入ったわ。そのまま歩いていたら、下がなくなったのよ! でも、宇宙空間の中に居るように私達の体は浮かんでいたの。

 驚きながらも下の方に行っていると、何かが落ちてきたわ。何かはよく分からなかったけど。蓮子が咄嗟に避けたから、手を掴まれたままだった私はなんとか避けれたわ。あれ、結局何だったのかしら?

 蓮子がまだ下に進みたいって言ったから、仕方なく一緒に進んでたら、蜘蛛の巣が沢山張っていたわ。巨大蜘蛛が居るんじゃないかって思って、蓮子の手を掴みながら猛スピードで逃げたわ。上の方にね。

 それで、さっきの境目に入ってここに戻ってきたっていうわけよ。正直疲れたわ。蓮子も私に振り回されるなんて思っていなかったみたいだから、目を回してるわ。

「あー、吃驚したー。メリーどうしたの? 急に逃げたりして。私、もう吃驚したんだけど。急に私の手を引っ張るから」

「だって、今までに何回も妖怪に襲われ続けているのよ? 本能が『逃げろ!』って言ってくるの」

 夢の中だけどね。そういえば、前にもこんな体験したような気がするわ。確か……何処まで走っても竹林が続く所だっけ?あの時も怖かったわ。星や月が輝く夜空を見たら、つい貴女の能力が羨ましく思えたわ。

「えー。折角色々見れたのになー!」

「そんな事言わないでよ。私、本当に怖かったんだから!」

「そう?」

「そうなの!」

 私は自分の思いを押し通そうと、強く言った。いつもの事よ。

「まぁ、もう消えちゃったし、今更引き返すって言っても無理だね。ほら、いつまで息切れしてるの? 早く行くよ!」

 蓮子は疲れていないの!? そりゃ、私が引っ張ったからそうでもないかもしれないけど、疲れてはいるはずよ。あっ、でも蓮子は日頃、運動はしてるんだっけ? だからかも。

 私達はこの不思議な不思議な結界がある秋芳洞の出口を潜った。その時、なんか解放感に満ちたのは私だけかしら?



下から覗けば((ry



いつの間にか週間ユニークが二百人を越えました!ワーパチパチ

これからも極楽鳳凰を宜しくお願いします!

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