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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第三章 中国陰陽観光 ~ Profit Is Matchmaking
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第四三話 入口

 昨日の夜は本気で考えすぎて、頭痛が少し感じるよ。何を考えたか?秘密。

 今日は船で日本三景の一つの宮島に行くよ! ……でも、

「あー、酔うわ」

 メリー、船酔いするんだった。すっかり忘れてたよ。

「大丈夫? 後、十分あるけど」

「……無理」

「無理でも、もう乗ったからには降りられないからね?」

 今は海の上の船縁。船酔いを治すには船から飛び降りるしかないね。

「分かっているわよー……蓮子ー、まだ?」

「まだ十分ある」

「まだ十分ってぇ……」

 メリーにとっては、一時間くらいかな? 取り合えず、大変そうだよ。このまま落っこちないといいけど……。



 ━━━━



 宮島に着いたよ。メリー、お疲れさま。でも、帰りもあるからね?

「んー! はぁ……やっと着いたわ」

 メリーは船を降りてすぐに手を上げて伸びをした。

「よし、さぁ、観光観光!」

「今日もやけに張り切るわね」

「観光する時は誰だって張り切るよ」

「私はそうでもないけどねー」

 なら張り切ろうよ。張り切りって無理矢理起こすものなんだから。

「じゃ、早速厳島神社に行こうか」

「また無視ぃ!」

「無視なんてしてないよ。暑そうだから涼しい所に早く連れて行こうと思っているだけだよ」

「それを無視って言うの!」

「はいはい」

「''はい''は一回よ」

 この台詞、前に二回くい言私がったような気がする。気のせい? いや、これは気のせいじゃないね。

 私達は厳島神社に入った。

 そういえば十三年前に瀬戸内大震災があったんだ。原爆ドームは昨日行って来たけど、一部は崩れてたけど残っていたんだ。でも、厳島神社は全壊。一度も倒れなかった、海に浮かぶ大鳥居も倒れるどころか、もうバラバラ。今は復元されていて、陸の上。ここからは見えないけど奥の方にあるよ。触る事は出来ないけど、潜る事はできるみたいだよ。

 今は、十時三十七分十八秒。私の目も便利になってきたなー。

「しっかり復元ができてるわね」

「ほんだとよね。まぁ長年掛けてやってたもんね」 六年掛けて復元したんだから、大変だね。まぁ、世界文化遺産だもんね。

 私達は厳島神社を色々廻ったけど、やっぱり綺麗だ。一度全壊したとは思えないくらいだよ。

「ねえ、メリー」

「何?」

「今日はここで泊まって、明日次に行かない?」

「何でよ。まさか観光しに来たっていうのに結界暴き?」

 やっぱりメリーはいいね。話が読めて。おかげで話が早く進むよ。この台詞何回目? どうでもいいけどね。

「ご名答!」

「それで? 何をするのよ」

「実は宮島っていうのは、神が住む、禁足地の島だったんだ。でも、その禁は破られて人々が宮島に住み始めたんだよ。そのせいで現代、神は宮島から消えたんだ」

 私は一旦話を切った。また次を言おうと思ったら、メリーが口を挟んだ。

「その話が今回の結界暴きと何の関係があるのよ」

 メリーは当たり前の質問をした。そりゃそうだよ。だってまだ言ってないんだもん。

 私はそんなメリーの当たり前の問いに対しての答えを言った。

「それでね、私は神が居たはずだった世界に行ってみたいなって思ったんだけど」

「神が居たはずだった世界ってどういう意味よ」

「んー。神のゆとりの場だった世界って言えばいいかな?」

 神にだって休みは必要だから、そんな世界もあって当然かなって思ったんだ。ただ、私の勝手な想像だけどね。

「そう。で? その世界にはどうやって行くつもりよ」

「神の住む所といえば神社でしょ? その神社の入口といえば?」

「鳥居……って、そういう事ね」

「そう!この(神社)の入口である、大鳥居を潜ってその世界に入るんだ」

 そこに神のゆとりの場があるかどうかは知らないけどね。

「でも、普通に潜っても行けないでしょ。何か特殊な入り方があるの?」

「あるよ。その世界の入り方はねー、陸側からじゃなくて、海側から潜る! それだけ」

「普通ねー。まぁ、いいわ。今日の夜ね。蓮子の言う事が本当だといいんだけど」

 そんな会話があった後、私達は大鳥居を見たんだけど、潜るのは夜のお楽しみにしておいたよ。今日の夜が楽しみ!



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