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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第二章 機械宇宙 ~ No Limit Space Travel
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第二八話 ━━の核

「でも金鳥って、黒点の勘違いでしょ? っていうか、太陽の核ぅ!?」

 蓮子は金鳥の事を不思議に思い、尋ねた。

 ━━ん? あぁ、ここは太陽の核だぞ。だが黒点と言うが、それは違うぞ?

「えっ? そうなの?」

 ━━あぁ、そうだ。

 ここは太陽の核だってぇ。だから金鳥が居るのね。でも黒点の事じゃないみたいね。

 黒点の事は私も知ってるわ。確か、太陽の表面温度が低い所にできる黒い点の事よね。あの時言っていた''三本足の烏がいたんだ''っていうのは黒点の事だと思ったのね。蓮子が思った事は分からなくないわ。

 暫く沈黙が続いた後、金鳥が口……いや、嘴を開いた。

 ━━折角来たから私の話でも聞くか?

「じゃ、じゃあ……そうしようか。メリー、いい?」

「ええ。どうせ行くとこないし」

 私達は金鳥の話を聞くわ。



 ━━━━



 昔、この太陽の核には私と同じ姿の者が、(とお)いたのだ。ある時、その一つが''外に出てみたい''と言ったのだ。他の奴も私も''行きたい''と言った。何故なら、私達は一度も外の世界を見ていないのだ。

 だが、この太陽には核の(管理者)がいないと行けなかった。だから私は出たい気持ちを抑え、ここに一人残り、後の者は皆、太陽の外へと行ってしまった。

 しかし、私は太陽の表面から離れなければ外に出る事が出来た。なので核の外へ出て十の火にまとった姿を見ていた。

  十の姿はやがて消えてしまった。私は奴らの帰りを待った。だが、誰も帰ってこなかった。

 星の噂によると、不思議な細い物に十の内、九つが射られて死んだと言う。そして生き残った一つは足を射られ、不思議な細い物が飛んできた方へと落ちたと言う。



 ━━━━



「それって、私達の知っている話とほぼ一緒じゃん!」

 蓮子が腰を抜いた。

 私だって驚いているわよ。まさか、私達とおんなじ話をするなんて思わなかったもの。

 ━━お前達の知っている話、とな?

「それは、かくかくしかじか……」

 蓮子はまた''かくかくしかじか''の間に説明を入れた。面倒なのよ、またこの小説で説明するの。

 ━━なるほどな。

「私、全くのはったりかと思ったわ」

「はったり……ハッ〇リくん?」

 蓮子……古い、年代が古すぎる。有名だけど古すぎるわ、蓮子。後、無駄知識すぎるし、字も違うわ。

「……そろそろ出る?」

 私は冷めた空気を再びもとに戻すために口を開いた。

「……あぁ、うん。そうだね」

 ━━もう行くのか?

「ええ。ずっと長居するのもアレだし、戻らなきゃならないしね」

 ━━そうか。ならついてこい。

 金鳥が翼で上の方へと飛んだ。少しふらふらしてるわね。きっと久しぶりに飛ぶんだわ。

 私達はふらふらする金鳥をただ追いかけた。

 ━━……この辺りだな。ここから思いっきり飛び抜けろ。そしたら出れるはずだ。

「えっ? 大丈夫なの?……」

 ここは太陽の核。という事は外は太陽の炎が待ち構えているわ。暑さを感じないとはいえ、炎の中から出るのは嫌よ。なんだか丸焦げになりそうで。

 ━━大丈夫だ。この辺りは太陽の表面の中で最も温度が低く、炎を上げていない場所だから、飛び込んでも焼かれたりはしないだろう。では、良い旅を。

 流石核の核。分かるのね。ベテランと言うべきかしら?

「ありがとうございました。恐らくもう来ないかも」

 ━━私もそう思っている。

 私達は金鳥に一礼をして、彼が言ってた辺りの方へ飛び込んだ。

 出る瞬間、後ろを振り返ると、黒い烏が消えていくのを見た。



つい本音を書いてしまいました。

ハッ〇リくん、乙です。

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