第一三七話 察しなきゃいけない
私とメリーとエニーと早苗は勿論、こころ、愛乃ちゃん、魔理沙は博麗神社に爪先を向けて歩いていた。魔理沙は、飛ばずに行くと一時間くらいかかるだろうって言ってた。
空は今を、三時四十分〇秒と言っているよ。後、もう少しだね。
「何で、''敵を倒していく奴が希望の面持っている''、なんだ?」
「どういう意味ですか?」
後ろにいたエニーが、急に魔理沙が話し出したため、前に割り込んできた。
「いや……言葉のままだぜ。それに理由があるのかなって思ってな」
「多分……」
こころが喋り出して、皆がこころを見た。
「その人が希望を取り戻そうとしているからだと思う」
確かに、暴れているのを防いでいくには倒すしかないね。
「つまり、異変解決をしようとしているって奴か」
「まぁ、そうよ」
「なるほどな。悩みが解決したぜ」
さっきの事を悩みと聞いて早苗が反応した。
「悩み……またちっぽけな━━」
「早苗、聞こえるからっ!」
「何が聞こえるのか?」
「いや、こっちの話よ」
「あっそう」
メリー、ナイスフォロー。このまま魔理沙の怒りに触れればどうなっていた事か。見たでしょ? あの極太レーザー。あんなの受けたら人溜まりもないよ。あのレーザーは綺麗だけど……美しい薔薇には刺があるっていうか、なんていうか、そんな感じだから。
「だけどさ、異変解決をする奴がその希望の面の事に気づかないんだ?」
「意外に気づかないんじゃないの?」
「いやいや、だがな? もう一度言うが、異変解決をする奴だぞ? そのほとんどが、ここをよーっく知ってる奴だぞ? そんな奴が奇妙な形のお面をこころのだって事、知らないわけがないぜ」
「だったら……風が言ってた事は何なの?」
「それはな……うむ……」
魔理沙が言いたい事も分かるし、反論出来ないのも分かる。
霊夢は幻想郷のほとんどを知ってる感じで、更には妖怪退治や異変解決の専門科。魔理沙や紫も同じだと思う。どの人も異変の状況もよく把握出来て、察しが早い。
そんな人達はこころの事も知っていて同然。竺紗が昔から、こころを見ていないって言うなら尚更だと思うよ。だから、お面は敵を倒す前にこころに渡す方が早い。
だけど、持っている人は''敵を倒していく奴''。魔理沙の言う事とは、ずれがある。
私の意見とすると、やっぱり、そのお面が異変との関係がないと思って、敵を倒していくんだと考えている。希望の面を持っているんだから、暴れているっていうのはないと思うし。
「まぁ、決めつけるのはまだ早いから。前までの異変の時とかもそうじゃない?」
「そうだな……ちょっと行きすぎた。あぁ、もう着くぜ」
目の前に鳥居が見えてきた。博麗神社の鳥居だよ。やっぱりこっちの方が綺麗だね。あっちは傷だらけだよ。
「おい、霊夢? いるか? いるのか?」
「……異変解決に行ったのですかね?」
「そうよ」
突然、後ろから声が聞こえてきた。このパターンはどこかで体験したような気がする。
皆がが一斉に後ろを向いた。
「おぉ……紫か。お前は行かないのか?」
「行かないわよ。もし、ここが襲われた時の事を考えてね」
「完全な言い訳だろ」
「さぁて、どうかしらね?」
紫は上品に目線を空に向けた。
「それでから、霊夢は何処に行ったんだ?」
「知らないわ。目的なら分かるけどね」
「なんだよ」
「異変の話をしたら、''お賽銭がっぽりの旅に出るわ''って言って行っちゃったわ。行き先は聞いてないわ」
「おいおい、一から探すのかよ……」
ちょっと意味を理解していない紫は首を傾げている。皆は……察しの通り、俯いていた。
一方その時、暴れる奴が空からやって来ていた。
最近お話が短いのは、執筆の時間がないからです。
頑張れよ……私。




