表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第七章 心狂硝子 ~ I Am You,You Are Me
129/148

第一二二話 上空の硝子世界

「これ」

 ナズーリンさんの声です。

「あぁ? この鏡か?」

 これは霧雨さんの声です。

「正確にはマエリベリーの見た世界の入口()

 再び、ナズーリンさんの声です。

「鏡が入口?よく分からないな」

 これは藤原さんの声です。

 周りに居る皆さんは似たような口調をしています。小説で一番と言っても過言でないくらいの問題である、『口調が似てて誰だか分からないです』の誤解は正にこの事ですね。うぷぬしさんはこの事や文章を書く事に非常に苦労しているそうです。なので、楽になるために宇佐見さんの口調を原作とは違う形にしたり、ご都合主義にする事などをしているそうです。こんな事などにするから文章が固定文(テンプレ)なのですね。私がびしばし指導する必要がありますね。

「でも、ここ差したし。そうだよね? マエリベリー、エボニー」

 ナズーリンさんには能力や事情についてはもう説明済みでありますので、私とハーンさんの名前を呼びました。

「ええ、そうね」

 ハーンさんは見え始めた月を見て言います。無理に月の石を出さないようですね。

「はい。そのようです」

 私は風を聞きます。いえ、風が聞こえます。

「でしょ? だから帰るね」

「おいおい。マエリベリーの見た場所は何処なんだよ」

「だから……それをまっすぐ行ったところ」

「鏡の中を……か?」

「うん。その中を通ればいい筈」

「鏡にぶつかるってオチにはならないよな?」

 その様な事を前に季節さんが言っていましたね。物は物の常識がありますからね。それが非常識となると誰もが信じれないですよね。

「入るための儀式とかあるのならば、私は知らない。じゃあね」

 入口を見つけて下さったナズーリンさんは帰っていきました。

 夕日が沈みました。明日ももうすぐですね。

「おいおい……あーあ。行っちまった」

「私も帰ってもいいか?」

「駄目に決まってるだろ。蓮子達はよくても、私が駄目だ」

 私の思った事に駄目出しを食らいました。実際にいいと思っていたのです。私達の事を分かっているのでしょうか? そう言うと、違うとは思いますね。大抵人は遠慮をしますからね。

「何でだよ。歩いて帰るくらい簡単だろ?」

「夜の地面は危険って事、お前は知ってるか?」

 そうですよね。妖怪は夜行性ですものね。

「蹴散らすから大丈夫」

「お前の事を言ってるんじゃないって! 私の事を言ってるんだ!」

「あーはいはい、分かったよ。ついてけばいいんだろ」

「その通りだ。それで、どうするのか? 蓮子」

 強制的についていかされている無実の藤原さんにお辞儀をして、謝罪を表します。藤原さんはそれを見ておらず、無反応です。

「取り敢えず、行こう」

「あの中を通るのか?」

 目と鼻の先には私の身長よりも高い鏡があります。私達、四人を映し出しています。

「それ以外に何がある?」

「いや、ないが……大丈夫なのか?」

「大丈夫だって! ねぇ、メリー」

「どうかしらね?」

 ハーンさんも腹黒ですね。新聞部の皆さんもそうですし、専攻の教授まで腹黒いですよ。私の周りでは意地の張り合いが酷いですね。これとハーンさんは違いますがね。

「メリーも酷いなー。まぁ、そんな事は気にせずに早く行こう!」

「見た目通りポジティブだよなー蓮子は」

「何か言った? 魔理沙」

「何でもないぜ。それじゃ行こっか」

「はい!」

 私達は鏡の中を通りました。普通に入れてよかったですが、何だか嫌な風が吹いてましたね。



 ━━━━



 これが本当の鏡の世界なのかもしれない。自分の何もかもが反対になりそう。

 真っ暗の空間の中にいくつもの鏡が掛かってあって、それぞれ映し出すものが違う。右手を上げれば鏡の自分も右手を上げるっていうのが一つの例だよ。

「気、気が狂いそうだぜ!」

「これは明らかにあの天邪鬼だな……くっ」

 いつも元気だった魔理沙や余裕な表情を見せていた妹紅は二人とも同じ表情に変わっていた。

 と、その時突如にけたたましい声が全体に響き渡った。

「けけけ!! ざまぁ見ろ!」

「やっぱりか。おい天邪鬼!」

 正体を見破った魔理沙は高い声に負けない程の声量で叫んだ。

「ちっ、ばれたか」

「あれだけでかい声で笑えばばれる! 早く姿を現せ!」

「ふっ……それほど私を知りたいのか? 知りたいんだよな。仕方ない」

「別にお前の事は知ってる」

「あそこの三人は知ってるのか? 知らないだろ? だからだ」

 反語を使いまくるその人は上から聞こえてきたのに、地面のある筈の空間から逆さまに出てきた。まるで全てがひっくり返っているかのように。

「貴女ね。私達をこんな大迷惑にさせたのは」

 さっきまで続いていた秘力は急に切れて、表がメリーになっちゃった。

 秘力は切れる事前、少し疲れが出てくるんだ。けどそれがなかった。だから、私の予想だとメリーの方もだと思う。だって疲れも出ずにいきなり切れて考えられるとしたら、この世界が特殊か彼女の能力くらししかないよ。

「お前は私知ってるぞ? 何故だ……あー、あの時のだな」

「ええ、あの時よ。わざわざここまで来てあげたんだから元に戻しなさいよ」

 今のメリーの思考に驚いて言葉にならない。何たって凄く切れ気味のメリーはあまり見ないんだ。

 でも今のメリーはひっくり返ったように変わっている。もしかしてこれも? 何処までひっくり返れば気が済むの?

 魔理沙が動いたのがちらっと見えたけど、表の私は気にしない。

「嫌なこった。お前のその困り顔が私にとって大好物みたいだからな。さーて、次は何を反転させて━━」

 いつの間にか彼女の後ろに回っていた魔理沙が彼女の動きを封じた。羽交い締めをされた彼女は歯を食い縛った

「お前の無駄話は長いなぁ。思わず欠伸が出そうになったぜ」

「なっ! 離せ!」

「攻撃は相手が話している隙にやるものなんだぜ?」

 魔理沙の笑みで一瞬こっちの方が結構ずる賢く感じた。実際にそうなのかも。

 頭は前へと倒れていてすっごく痛そう。辛そうな表情がそれを表しているよ。悪い事をしたには変わりはないけどね。

「命令に応えろ! 離せ!」

「お? もっと食らいたいか?」

「魔理沙ぁ……」

 メリーが困り果てた目で魔理沙を呼んだ。魔理沙はそれに気づかない。

 Sが凄い出てるから止めてあげて、魔理沙。そんな心の声は届く筈もなく、魔理沙は気づかない。

「あーー! 分かったよ。元に戻せばいいんだろ?」

 プライドの高そうな彼女が魔理沙の圧迫で先に折れちゃった。流石としか言い様がないね。魔理沙の笑みは更に増す。

 あ、もしかしてこれもかな? どうだろう? それだとあっち(幻想郷)ではMになるの? いやー……違う気がするなぁ……。

 変な想像をしていたら表の私の肌に鳥肌が立った。

「後、相当の大異変を起こした暁に、それに似合った代償を支払ってもらわなきゃな」

「なら教えん」

「おう。なら死なない程度にお仕置きをしなきゃな。逆にこっちの方がきっと辛いぞ?」

 さっきから魔理沙がおかしくなってから無口無表情の妹紅はそっぽを向いてしまった。エニーは苦笑いばかり浮かべている。あまりにも魔理沙の笑みと表情が酷すぎる。今までの魔理沙じゃないよ。

「……分かったよ……案内するから離してくれよ」

「大丈夫だ。方向を言ってくれればいいから」

 一度立ち直ったけれど、また折れちゃった。

 魔理沙は彼女の要望をへし折った。このままだと彼女を病むまで追い込まれるかもしれない。

「……ずっと真っ直ぐだ。奥にある硝子()だ」

 魔理沙のお仕置きを受けている彼女声のトーンは落ちている。それほど重い罪を犯したって事だよね。

 暗いこの空間が彼女をより暗くしていった。



投稿から五ヶ月。早いですねー。

後、投稿が遅れました。こういう機会がたまにありますのでご注意を。


昨日は秘封倶楽部の日でしたよ!これからも蓮メリちゅちゅちゅです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ