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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第七章 心狂硝子 ~ I Am You,You Are Me
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第九八話 狂いの世界

 はっ。私、今まで何をしてたのかしら? 維持が保ててなかったの? 大変だわ。

「ちょっと! ちょっとーー!! 何で私ばっかり襲うの!? あまりにも不公平すぎる!!」

 そんな事より、この状況、誰か説明して! 私、猫に襲われているんですけど!

「君を狙うのは、猫は狙った獲物は獲るまで狙うから」

「えーー!! ちょっと! メリー! エニー! 助けてよ!」

 猫が喋ったのは気にしていない。その前に今、私に置かれている状況から逃れなきゃいけないわ。要にはこの猫から逃げる事。

「蓮子頑張れー」

「ハーンさん! が、頑張ってください!」

 言う事が矛盾しているのは仕方がないんだけど、木とかが邪魔をして行動範囲が限られている空間をどうにかしてほしいわ。

「二人とも酷い! っていうか! 何で襲うのぉぉ!?」

「頼まれた」

「襲うのを頼むとか、どんだけ悪人なのっ!?」

「お前達だって……」

 猫は走りを止め、私もやっと止める事が出来たわ。たまに息切れしている。それほど走ったのね。蓮子の体もしんどいわね。

「お前達だって、勝手に邪魔するんだ。お互い様さ」

 顔を上げて私の方を冷たい目線を送ってきた。にやけている顔が私の気持ちを腹立たせるわ。

「どういう事? 私達、邪魔なんてするつもりないのよ」

 こっちまで走ってきた蓮子が、私みたいに息切れをして言ったわ。猫は蓮子とエニーには気にせず、ある一本の木を見た。

「邪魔しない? どういう事だ。誤報か? マッドハッター!!」

「何だい?」

「わっ! だ、誰?」

 猫の見ていた木の影から出てきたのは、シルクハットを被った男性だったわ。また洒落ているわね。

 シルクハットの男性は私を無視して猫の下へと向かった。

「邪魔しに来たわけじゃないみたいだぜ? どうするか?」

「そうなのかい? まぁ、取り敢えずティーパーティーだね!」

「狂ったお茶会だな! よし、マーチヘアとドロマウスを呼ぼうじゃないか」

「なんかいつもとは違って乗り気だなぁ。いい事あったのか?」

「あのぉ……」

 切りが悪いところで、私達の存在を忘れている二人に話しかけたら、変な反応をしてこっちを見られちゃったわ。

「あぁああ、ごめんな。挨拶がまだだったな。俺はチェシャ猫だぜ」

 チェシャ猫? あの?

 次にはシルクハットの男性が気取って喋りだしたわ。

「僕は皆から、マッドハッターって呼ばれているのさ。単なる帽子屋なのに……」

「嘘つけ。その帽子、前、水銀で出来てるって聞いたぞ。それで''帽子屋の震え''を起こしたのじゃないのか?」

「そうなのかい? 初めて知ったよ」

「馬鹿か」

 マッドハッター? やっぱりあの世界みたい……。

 私は蓮子の方を振り向いたわ。蓮子はそれを見て頷き、こっちへ向かってきたわ。

「彼らの言っている事は全部本当よ。後、秘力出しといて」

「分かった」

 多分、二人に説明するためだと思うわ。このままだと説明するのめんどくさいもの。

 秘力発動。蓮子は透かさず目に触れたわ。

 最近、秘封倶楽部が秘封倶楽部じゃないって思う方。それはね、うぷぬしの私達に対する愛が溢れすぎた結果よ。それでもこの小説を読んでくれている皆さんに感謝だわ。

 さて、そんな事は後回しよ。

「馬鹿? 狂った帽子屋にぴったりだ!」

「そうだな!」

 何笑ってるのよ、気持ち悪い。でも、その雰囲気、昔、何処かで感じた事のあるような気がしたわ。

 懐かしみを帯びている二人に蓮子は近づいた。

「あのー!!」

「ひぇっ!」

 私の声である高い声にエニーは吃驚しちゃったわ。いきなり大きな声を出したら、そりゃ吃驚するわよ。私も肩が上がっちゃったわ。

「あっ! ごめんねぇ。自己紹介はこのくらいにして、ティーパーティーをしながら君達の事を聞こうなじゃないか」

「じゃあ、早く行こうか。俺は先に行っておくから案内よろしくな」

 そう言ったチェシャ猫は背景に変わって見えなくなった。

「おい!! あー……仕方ない。ついて来なよ」

「う、うん」

 さっきのテンションとは全く違う感じの言い方になったから少し抵抗を感じるわ。

 そんな事を思いながらも、マッドハッターの進む道と言う道を通って行ったわ。

「そういえば、君達は何処から来たのかい?」

 正面を向きながら興味深そうに訊ねてきたわ。

「んー、何て言えばいいのか……こことは全く違う世界」

「アリスと……いや、何でもない」

「アリスならば私達は知ってるいますけど?」

「えっ、君達、アリスの友達か何か?」

「違うわ。でもこの世界の話は私達の世界では有名よ」

 有名……かどうかはあまり知らないけど、私達は知ってるからいいか。

「よく分からないなぁ……あー、もうすぐで着くから話は後にしよう」

「あ、うん」

 マッドハッターは少し駆け足になったから

、私達も一緒になって走ったわ。

 道の先に大きなテーブルクロスが見えたわ。



━━━━



「ふーん、なるほどねぇ。そんな事があったのかい」

「そんな事よりも六時のお茶会はどうなるんたよ! マドハタ!」

「マッドハッターだ! いい加減名前くらい覚えろよ、ドブネズミ」

「ドロマウスだっつーの! マドハタだって名前覚えろ!」

「あのー……」

 またこれよ。本題からどんどん逸れていくの。

「あーはいはい。ごめんなさい。その問題はアリスに聞いた方が早いかもしれない」

「お茶会はー?」

 三月の兎みたいに狂っているマーチヘアは紅茶をすすって言ったわ。飲んでいる時点でお茶会になると思うんだけど、狂っているから仕方ないわね。

「また後で戻ってくるさ。どうせ六時だし」

「おけー」

 マーチヘアはまた紅茶をすすって、短い腕を伸ばしてクッキーを取ったわ。

「じゃあ、アリスの所へ行こうじゃないか。兎と苺と漆黒」

「えっ、ちょっと待ってください。今、何とおっしゃいましたか?」

「うん? 兎と、苺と、漆黒って言ったよ?」

 誰が誰だか分かるには分かるけど、センスが酷いわ……。

「な、何故そんな名前にするのですか?」

「え、だって。兎見と、ベリーと、エボニー何でしょ?」

 そんな風に言うと思ったわ。特に、蓮子は完全に覚えられてないわ。惜しいんだけどね。

 読者の皆さんは蓮子の事、何て呼んでる?

「兎見って……宇佐見だよ! ''ぎ''は余計!」

「あ、そうなんだ。で、他は合ってるのかい?」

「私はマエリベリーね。エボニーは合ってるわ」

「でも、何故エボニーを漆黒って言うのですか?」

 エボニーはその後、何かを呟いたけど聞き取れなかったわ。近くにいる私達でも聞き取れなかったほど小さかったわ。

「簡単だよ。エボニーは漆黒って意味だからさ」

 知らなかったわ。そんな意味だったなんて。何を思って名付けたのかしら?私の親もどうなのかしらね?

「へー。いや、そんな事じゃなくてね? ちゃんと名前で呼んでほしいんだけど」

「た、確か? 蓮子と、ベリーと、漆黒だったよね?」

「ごちゃ混ぜになってる!?」

 蓮子は合ってるわ。ベリーと漆黒って……元に戻っているじゃない。

「あれ? 違ってた?」

「もう、いいわ……」

「そ、そうなのかい? 何かごめんね」

 いつの間にか私達は黙々と道を歩いていたわ。マッドハッターは気まずい空間は苦手なのかしら? だって、そわそわしているもの。それとも''帽子屋の震え''っていうやつかしら?



メリーが言ってた通りです!

こんなつまらない小説を見てくださって本当にありがたいです!!

特別な日というわけではありませんが、感謝しています!


蓮「私の秘力の謎を探しながら交互期待」(決め顔)

メ「でも、ほんとよく続くわよね。うぷぬしの私達に対する愛が本当に酷いみたい」

極「蓮子ぉ!メリーぃ!その可愛さは異常!!」(いつものテンション)



では、次回のお話もお楽しみに。

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