第8話 買い物だな
更新が遅れました、すみません
それは、突然だった
朝、いつものように武器の手入れをしていた時に、ミリアが私に告げた
「リント、シアちゃんを起こして来てくれる?」
「…なぜ、私が?
一応、異性なんだが?」
「あら、貴方は女性なら見境なく襲うの?」
まさか、私だってそんな事はしない
心外だと、肩を竦める
「ふふ、じゃあお願いね
私、これから仕事だから」
「はっ?
いやいや、待て。どういう事だ?」
「どうもこうもないわ、仕事
不満?」
「ああ、不満だな」
「あら、そうなの?
帰ってくるのは、夜になるからよろしくね
シアちゃんには、お土産、買ってくるから~」
……ダメだ、人の話を聞いてない
ハァ、なぜ私が?
年端もいかない娘の相手を、なんでしなければならない
「いや、だがチャンス
シア君と仲良くなりあわよくばー」
「ー殺すぞ」
「……悪かったよ、リント
だから、ソレを納めてくれ」
「全く」
「あ、そだ
リント、僕とデイビットは少し買い物してくる」
……またか
なんなんだ、今日は
「そう、ですか…分かりました」
「じゃあね~♪」
行ったか、さてどうするか?
…シアに伝えておくか
その後、好きにすればいい
「そうと決まれば、行動に移すか」
シアの部屋の前に着いたが
しかし、まだ寝てるのか?
ノックするも、反応なし
……待つか
「……」
待ってるが出てこない、あれから5分経ってないか?
くっ、私だって本音を言えば逃げ出したいのだが
「入るぞ」
ドアを開けた先では、シアがベッドで眠っていた
ハァ、なんて暢気な奴なんだ
ベッドの傍に、立ち
様子を窺う
すやすやと穏やかな寝息をたてている
起こさなければな
私は、シアの肩を掴み揺する
「起きろ、朝だ」
「…」
「シア、何時まで寝てるつもりだ?」
んむ?
なんか、聞こえる
「あれ?リント、さん?ぁ、おはよう、ございます」
「ああ、おはよう
さて、早く着替えて降りてこい
分かったか?」
「はぁい、分かりましたぁ」
さっさと出ていってしまった
なんか、不機嫌そうだった?
まー、とりあえず着替えよ
ネグリジェは、マズイな
なんか、ダメだ
こう、いかにも女の子って感じで落ち着かない
熟睡出来てたとか、ツッコミはなしで行こう
やっぱり、パジャマだな
……あ、金がないや
よし、今日は最初に着てたのに着替えよう
「え?
みんな、いないんですか?」
「そうだ」
朝食を済ました後
リントさんから、告げられたのはびっくりする話だった
そっか、ミリアさんかマーカスさんから魔法を教わろうと思ってたのに残念だ
うーん、どうしよう
何となく、リントさんを見る
「どうした?」
「リントさんの予定は?」
「ふむ、私か?
私は、無いな…武器の手入れは終わっ……ふむ」
何か、考えこんでしまった
え~と?
急にどうしたの?
「よし、シア」
「はい」
「君の武器を買いに行くぞ」
「え、なんでまた?」
武器は、あるよ?
刃が欠けてるけど
「アレでは、依頼も満足にこなせない
そうと決まれば、善は急げだ」
「あ、はぁ」
「どうした?」
ん~、言って良いのかな?
でも、言わなきゃいかんよね?
「お金、ないですよ?」
「知ってるが?」
「じゃあ、どうするんですか!?」
お金ないから、買い物なんか出来ないよ
ゲームみたく、敵を倒したら手に入ってくれればよかったのに
「私が払うつもりだ」
「ええぇえ!?」
「……うるさいぞ」
「あ、ごめんなさい」
「いいか?
シア、私が払う
だから、金を返したいと思わなくていい」
「…でも」
「なら、貸しだ」
貸し?
「今度、なにかしらで返してくれ
それでチャラにする、分かったか?」
「はい、ありがとうございます」
これ以上、何か言ったらリントさんが怒っちゃいそうだし
貸しなら、僕が頑張って返すだけだ
「よし、行くぞ」
リントさんに連れられて、大通りにある武器屋に来た
ここに来るまでに、何回はぐれそうになったか分からない
それを見て、呆れたリントさんが「仕方ない」と言って腕を掴んで引っ張ってくれた
「へい、いらっしゃい、好きなの選んでくれ!!」
と、屈強な肉体の店主に言われたので
じっくり選ぶ
「うーん、何にしよう?」
「扱いやすいと思った物にすればいい」
うーん、扱いやすいか
短剣?や、剣もいいな
斧や槍、弓も捨てがたいな~
でも、触ってみると大体の武器は扱えそうな気がする
というか、どう扱えばいいかイメージ出来る
彼がくれた特典って、なんか便利だけどズルしてるみたいだ
「そんなに悩む事か?」
「あ、はい
使い慣れないのは危険ですし」
「まあ、確かに
ならー」
リントさんは、鉄製の剣と短剣を取った
何してるんだろ?
「メインは剣で、サブに短剣を使え」
「あ、はい」
そのまま、会計を済まして戻ってきた
で、僕の腰に剣帯を装備させて剣と短剣をそこに吊り下げた
剣が、地面スレスレだ
くっ、今は身長が前より少し低いから
「ふむ、私が選んだが大丈夫だったか?」
「はい、ありがとうございます」
「気にするな、さて帰るか」
帰路の途中、気になった事を聞いてみることにした
「そう言えばリントさんの武器って、何ですか?」
「どうした、急に?」
「あ、何となく気になって」
「…ふむ、素手と暗器だな
暗器には、短剣や針がある」
…格闘戦と暗殺術!?スーツだから、てっきり銃だと思ってた
銃があるか、分からないけどね
武器屋にはなかったけど
「ミリアは、槍だったな
まあ、帰るぞ?」
「はい」
ミリアさんは、槍かぁ
意外だな
あ、ついてかないとはぐれる
「ふぅ、仕方ないな」
「あっ」
また腕を掴まれた、ありがたいけど恥ずかしい
人目もあるし
「行くぞ」
「はい、ありがとうございます」
「はは、なぜ礼を言う」
「えっと、何となくです」
「何となく、か
そうか、くく、分かった」
どこか、おかしかったかな?
リントさん、笑ってる
うーん、分からない
その後、リントさんと特訓してから昼食を済ませてから、汗をかいたんでシャワーを浴びて自室待機
散歩しようとしたら、「大通りではぐれそうになる奴には危険だ」と拒まれた
…で、リントさんは出掛けていった
今日は、疲れた
でも、リントさんのお陰で武器は手に入った
貸しを返せるように頑張るだけだ
夕方、ミリアさんとマーカスさん達が帰って来た
…手には、なぜか大量の服の入った袋を持って
何なのか尋ねたら、僕の服とミリアさん自身の服らしい
…「報酬全額使って、買った」と言い放ち、リントさんとデイビットさんを絶句させて、マーカスさんは爆笑した
いつもの事らしい
「それで、いいんですか?」
「ん?構わないさ
ミリアだって、女性だし」
「えっと、報酬の一部だけでも」
「ん~~、リフォーム代は完済したし
この家の所有権は僕にあるから、いいんじゃない?」
「でも、維持費とか」
「君は、真面目だね
昔の蓄えもあるし、僕の稼ぎもある
いいんじゃない?僕は、君たちの旅団長だし♪」
「細けぇこったぁ、気にすんな
マーカスは、こういう奴だ」
ミリアさんが夜、話があるらしいので部屋で待ってて欲しいらしい
「シアちゃん、入るわよ?」
「あ、はい」
ミリアさんが、入ってきた
僕は、ベッドの上で座る
この部屋には、ベッドと中ががら空きのクローゼットとベッドしかない
そこに、今日ミリアさんが買った服や下着が入れられた
…その服のサイズって、どうなってるんだろ?
「貴女が、前に眠ってた時に測ったわ」
……あの時の村で、知らない間に調べられていたらしい
僕は、喋ってないのによくわかったな~
「女の勘よ
さて、シアちゃん?」
「は、はい」
こちらを向くと、ニッコリと笑って彼女はこう言った
「明後日は、私たち2人で依頼をやるわよ」
なんか、ミリアやリントが主人公を甘やかしてる気がしますが、リントは主人公が新人だからです
ミリアは、分かりません
自分でも、書いててさっぱり分かりませんorz
『可愛いは、正義』なんでしょう、きっと
11/14 一部を修正しました