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この世界で  作者: 甘栗
26/73

第26話 王都と友達

サブタイを、修正しました

なんですか、無題ってorz

宿屋『祝福の鐘亭』に着いて、僕らは2部屋を借りた

元は男だったんだから、気にはしないがマーカスさん的には良くないらしい

宿泊費は、以前の砦での依頼で稼いだから問題なしとの事だった

僕は、案内された部屋に荷物を置いてから、周囲の物を見回す

置いてあるのは、小さなテーブルと椅子にベッドのみとシンプルだ


「さて、マーカスさんに予定を聞かなきゃ」


自由行動、と言っていたけどマーカスさん達の目的はどれくらいで掛かり、明日はいつ出発なのかとかは確認しなくてはいけない

そう思って、廊下に出るとちょうど右隣の部屋からマーカスさん達が出てきた


「お、ちょうどいいね

シア君、僕らはこれから集合場所に向かうけど、どうする?」

「どうするって、辺りを散策しますよ

あ、そだ」

「なんだい?」

「日程の確認したいんですが」

「ああ、マジメだねえ

今日は、夜の7時くらいまで戻らないよ。明日は昼過ぎに帰ろうと思ってる」

「ありがとうございます」

「君にはいい思いさせてもらったしね、まさに娘に頼られる父親の気分だったよ♪」


こ、この人はっ!? 人がせっかく忘れようとした事を蒸し返してっ!

睨むも、それを、「おお、恐くない恐くない」と言いながらさっさと出ていった

 なんか負けた気分だ、悔しくなんかないやい!

そんな僕を見ていたデイビットさんが、去り際に頭をぽんぽんと叩いてから出ていった



僕も宿屋から出たのは、およそ10分くらいしてからだ

宿屋の外は大通りになっていて、行き交う人で溢れていた

その人達は、人間以外もたくさんいる

人混みに混ざり、流れに身を任せていると肩がスレ違う人にぶつかってしまった

ぶつかった人が、こちらを見下ろしてくる

相手は、赤い髪に頭からイヌミミを生やした女性だった

どこか冷たい印象をうける顔立ちに、無表情さ、髪と同じ赤い瞳をしていた

ローブを羽織っており、服装は分からないが尻尾だけは見える


「あ、ごめんなさい」

「いや、いい。次は気をつけろ」

「あ、はい」

「では、私は急ぐのでな」

「はい、ごめんなさい」


頭を下げる、気にするなと言ってもらえたけどぶつかってしまったのは僕の不注意だ

女性は、僕の事を気にもせず人混みに混ざり見えなくなった


僕は、ぶつからないように注意しながら歩くも疲れてきた。どこか休める場所とか無いかと探すのも行き交う人の頭で見えない


「あー、これじゃ宿屋にも戻れないや」


適当に僕は人混みをかき分け、人混みの少ない道に出た


「疲れた。優希を見つけようと思ったけど無理だな、これは」


壁に背中を合わせて座り込む、ちょっと休憩しよう

目の前の人達の中に混ざり、戻る事を考えると憂鬱になる

はぁ、とため息を吐く。こんな事ならムリ言って着いていけば良かったよ

誰かが近づいてくる音と急にうっすらと暗くなった、何事かと見上げるとハルトと男性がこっちを見ていた


「大丈夫か? って、お前!?」

「…あ、ピーナッツスキー」

「誰がピーナッツスキーだっ!!」

「ん、なんだハルト、ピーナッツ好きだったのか?」

「親父は黙ってくれ、お前な、変な事言うんじゃねえよ」


軽い冗談だったのに、キレられた

ハルトが睨んでくるも、見知った人間に会えた喜びの方が強くて恐くなかった


「えへへ、マーカスさん達の用事についてきたんだよ。ハルトは仕事?」

「やけに機嫌がよくなったな、今日は非番だ。って、リントさんは?」


リントさんと聞いて、隣の男性が大きく目を見開いて固まっている

どうしたんだろうか? まさか

この人の事、ハルトは『親父』と言ってた

なら、この人がリントさんと確執がある人?

そう思えば、どこかハルトに似ている気がする


「ごめん、いない

依頼で抜けてるんだ。僕らが王都にいるなんて知らないと思う」

「そうか、シアが悪い訳じゃない」

「ありがと、ハルト

その人が、ハルトのお父さんなんだ?」

「あ、ああ

私がハルトの父のマイク・バークマンだよ」

「シア・ポインセチアです。マイクさん」


とりあえず場所を変えようとハルトが提案してきたので、賛成し住宅区にある2人の住んでる家に案内された

白い壁に、青色の屋根をした家で二階建てのようだ

リビングで座らされ、ハルトは紅茶を用意すると言って席を外している


「すまないね、家事はからっきしダメで息子に任せっきりだ。たまに来るユウキ君にもやってもらう始末だ」

「は、はあ。優希は来るんですか?」

「ああ、たまにね。最初は驚いたよ

ハルトが彼女連れてきたかと思ったら、上司でアイツの元仲間だそうでね」

「そうですか」


ハルトがティーカップを載せたトレイを片手に戻ってきた

そのまま、ティーカップを置いてくれた


「ありがと、ハルト」

「客に必要最低限もてなすのは礼儀だ」

「ねえ、ハルト」

「ん、なんだ?」


ふと気になった事を尋ねてみようか考える。でも、僕が聞いていいのか?

『話す気になったら話してくれる』とリントさんは言ったじゃないか

 やめよう、僕は首を横に首を振り別の疑問を聞く事にした


「ハルトと優希は何の仕事してるの?」

「ユウキから聞いてないのか?」

「全然、聞いてない」

「いいじゃないか、ハルト。シア君に教えてやれば」

「ハルト~、教えてよ~」

「……」

「ハルト~」


ちょっと言ってみたが、ムリだ!!

ハルト~、なんて甘えた声出してみたが恥ずかしくなる

見れば、ハルトだって固まっている

何か言ってよ!!


「わかったわかったから、その上目遣いをやめろ」

「? ハルトのが身長あるし、ムリじゃ?」

「軍人よ。ね、ハルト?」


聞きたかった声がした、思わず立ち上がり声のした方を見る

青色の着物をアレンジした服を着た人物、優希が僕を見て微笑んだ


「おや、いらっしゃい」

「お邪魔しますね、マイクさん

あら、ハルト? 何を固まっているのかしら?」

「……うるさい」

「落ちた?」

「うるさいわ、落ちとらん!

なんの用だ、ユウキ」

「ちょっと抜け出したのだよ。と、それよりも久しぶりね、シア」

「うん、優希。久しぶり」


思わず笑顔になる、こうも速く目的が達成されるなんて思わなかった

良かった、友達に出会えた

優希の手を取り、手を大きく振る。子供っぽいが優希は気にもしてない様子


「混ざらないのか、ハルト?」

「うっせ、黙ってくれ」

「あ、それで軍人って?」

「そ、軍人よ

と言っても、近隣警備隊だけどね」


優希が軍人、見えない

ハルトが軍人だと言われれば納得できるけど、優希も?


「じゃあ。なんであの時は町に来たの?」

「ふふん、人手不足よ。各方面に情報収集に人を割いたら足りなくなってね、代わりにって」

「そうなんだ、やりたい事があるからって飛び出したんじゃ?」

「うん、その為にも軍に入る情報が欲しかったの


情報の為に軍に入ったんだ、無茶苦茶だな


「そうよ、でも目的は果たせてないのよね

予想外だわ」

「軍とて万能ではない、わかっとるだろ?」

「ええ、もちろん。僅かな当てがあるけど」


チラリと横目で僕を見た、って僕が?


「ねえ、そうまでしてやりたい事って何?」

「ふふ、よくぞ聞いてくれた!」


両手を腰に当てて胸を反らす優希、悔しくなんかないやい。胸とか、胸とかなんか決して悔しくなんか


「どっか行ったきりの友人を捜すのだ~」


優希としては、ドーンッ!! とかの効果音があったのだろう

でも、すごい間の抜けた感じがした

優希とハルトと王都での再会になりました


一部、修正しました(2/1)

×マイク・ファーガソン

→〇マイク・バークマン


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