第1話 僕は誘いに乗った
一話目ということで、自分なりに力を入れて書いたつもりです
今になって思えば、アイツとの出逢いが僕の全てを変えていった
あの、得体の知れないアイツと出逢ったことで
昼下がりの日曜日にカーテンを閉め切り、太陽の暖かな陽が遮られた部屋で、僕はパソコンの画面に映るネット小説を読んでいた。
目が悪くなるとか、知ったことじゃない。
これが僕のパソコンを使う時の、基本なんだから
誰にも迷惑かけてないんだし、良いよね?
「…やっぱりいいなぁー、異世界かあ
行ってみたいな~」
呟いて、妄想してから苦笑いする
そんなものは、存在しない。
存在するのは、物語の中だけ
そんな事は分かりきったことなんだけど、僕は憧れてしまう。
まあ…仮に異世界に行ったら、即身ぐるみひっぺはがされてお陀仏か、その世界に闊歩する怪物に殺されるだろうけど
自己紹介が、遅れました。
ごめんなさい、僕の名前は天宮悠翔
21歳、男
職業は、会社員
自分の家から自転車で30分くらい掛かる場所にある製造業の会社にて物流管理に…ごめんなさい、脱線ですね
性格は、普通?のはず、いい年して人見知りがちょっとある
年齢イコール彼女居ない歴、悔しくなんかないやい!!
身長は162、細身、体重は平均よりやや下マッチョマンになりたかった
家族構成は、両親、姉、僕、妹
見た目は、普通
一昨日、いきなり後輩の女の子に、先輩は可愛いとか私のお兄ちゃんみたいで安心するとか言われてヘコんだのは内緒。
可愛いって、どこからどう見ても、性別は男なんだけどなー
当たり前だけどイケメンではない、イケメンは僕の同期だ
『ふふん、僕の同期はイケメンばっかなんだぜ』って感じで、ちょっとした自慢だったりする
みんなして、彼女がいるのに嫉妬はしてないよホントダヨ?
みんな、僕の相手してくれるし
同期の女の子は、可愛いや綺麗系がいた
先輩曰く、今年の後輩は当たりだそうだ
彼女たちも、彼氏がいたり、なんと寿退社した人もいる。
急に自己紹介してどうしたんでしょ、しなきゃいけない気になってやったけど
現在は、ドハマりした異世界トリップ物の小説を読んでいる。
最初は、流し読み程度にくらいの考えだったけど、その考えは甘いと改めさせられた
見知らぬ世界で、主人公たちは、自分の知識や経験とかを活かして生き抜き、その世界の住人たちと交流を深めたりするのを読んで、無性に興奮し、魅了させられ先の展開にワクワクした。
「…アレか?僕もトラックに轢かれれば良いのか?」
ムリ、死にたくない
大体、轢かれたからって、異世界に行けるとは限らない
トラック運転手さんに迷惑はかけれない、仕事の関係上で接点あるし、あの人たちの苦労話を聞いた事もあるし
「やっぱり、妄想するしかないか」
はぁ、とため息を吐く
「だけど、もし行けるなら行きたいんだろ?」
「まあね、行けるなら、だけど」
「へぇ、なら行かせてあげようか?」
…いよいよ僕の妄想もヤバいらしい、さっきから僕独りしか居ない自室で、僕以外の声がしてる。
しかも、会話してた
「振り向いて確認してみたら?ボクが妄想の産物かどうかを確認するには最善の手段だよ」
なるほど、確かに
うう、お化けだったら、どうしよう?
念仏やお経なんて覚えてないんだぞ!?
「…ふう、仕方ないね
実力行使だ」
僕の肩を掴まれて、振り向かさせられた
「やあ、初めまして
天宮悠翔、逢えて嬉しいよ」
「……誰だ!?」
僕は、尻餅をつき、後ろに後退る
そこに居たのは、十代前半くらいの少年だった
真っ黒な黒髪、真っ赤な瞳、中性的な顔立ち、全体的にどこか妖しいを雰囲気を纏っていた
身長は、僕の肩くらいだろうか?
服は、白のワイシャツ、その上に黒のベストを着てて、赤いネクタイを緩く締め、黒のスラックスだと思う? を履いていた。
靴は黒く、革靴なのかわずかに入る陽の光を受けて不気味な光を放っていた
「さあ?誰だろうね?」
クスクスと笑いながら、肩をすくめてる
あそこまで笑って、なにが可笑しいんだ?
「ゴメンゴメン、まさかそこまで警戒されるとは思わなくてね」
怪しい、すごく怪しい
なんなんだ?というか、僕の部屋にどう入ってきた?
「ねえ、悠翔?
話があるんだ」
突然、怪しい奴が、ニコニコしながら切り出した
「…話?、話って何?」
なんだか嫌な予感がする、だけど、気になる
「君はね、直に死神によりお迎えがくる」
お迎え?お迎えって何さ?
「わからない?何らかの要因で君は死ぬんだ」
「っ!?」
「あははっ♪恐いかい?ハハハ、そうだろねえ、恐いだろうねえ」
死ぬ!?何で、どうして!?嫌だよ!!死にたくない、死にたくなんかないっ!!
「ハハハ、ふぅ、久しぶりに大笑いした……おっとっと恐がらせてしまったね、安心して
君は実に運がいい 、ボクの提案に乗れば助かる」
「大体、死神なんて居やしない、あり得ない!!」
そうだ、居やしないんだ
きっと僕は、悪い夢を見てるんだ。そうに違いない
「居やしない、か
じゃあボクは?君の家に、そして君の部屋に現れたボクは、どう説明する?」
瞳を細め、僕を見てくる
…なんなんだよ、知らないよ
「死神なんだろ?」
「死神、か
ハズレ、ボクは死神じゃない。まあ、自分でもよくわからないんだけどね」
「意味がわからないよ」
「だろうね、さて話を戻そう
まだ君は死にたくないんだよね?」
当然だ、まだ死にたくない
「だったら、簡単だ
この世界での生活を捨てて、ボクの送る世界に行けばいい」
彼は、さも簡単だろ?と言わんばかりに言った
だけど、家族を捨ててなんか
「ああ、悩む必要はないよ
事後処理はこちらで全て行うから」
事後処理?事後処理って何よ?
「君を送り出した後の事さ
さて、乗るか反るか選びな」
彼は、右手を差し出してきた
赤い瞳を光らせながら、僕を誘う
……死にたくないなら、簡単だ
彼の誘いに乗るだけだ
ナンダ、簡単ジャナイカ
ダッテ、死ニタクナイ。
僕は、彼の右手に左手をのせた
満面の笑みの少年は、呟いた
「提案に乗ってくれて、ボクも嬉しいよ
次は、準備と簡単な説明をしようか」
次の話で、タグにもあります性転換させます
楽しんで書いていきますので、皆さまも楽しんでいただけたら嬉しいです
誤字、脱字の修正と今更感ありますが、話数を追加しました(10/29)