死神さんのお仕事☆
「アハハハハ!!そうそう!それでさぁ!」
――――――学生の笑い声が聞こえる。
―――――何度僕もああいう風に笑いあいたいと考えたか
「なあ!高橋はどう思う!?」
「え、あ、うん。そうだね」
――――――いつも僕は自分の偽りの仮面をつけ
「だろ!こいつが言うんだから間違いないって!」
――――――友との会話をする。
「じゃ、そういう事で……死んでな?」
――――――僕は殺される。
「バウバウ!バウバウバウバウバウ!!!」
んん……ああ、バウ。ごめん、寝ちゃってたみたい。
「ふわぁぁ~懐かしい夢見てた」
「バウ?」
ふふ、不思議そうな顔してるねバウ。
バウ――――――死神学校の番犬で4メートルくらいはあるかな?
つい20年前は僕の腰くらいの大きさだったのに。
僕が死神学校に通じる道の清掃当番に当てられてから300年くらい経った。
死神の寿命は人間の寿命を100にしたら死神は比較にならないくらい長いんだって。
今からちょうど300年前に僕はこの学校に入学し……死神にはなれなかった。
E組……上のクラスの人や先生は皆エンドのE組と呼んでいたな。
ほかの皆は死神になったのに僕だけ……成績不振で死神にはなれなかった。
まあ、主に死神の言葉が理解できずに答案は常に真っ白。
まあ、点数は卵だよ。
卒業なんてものはしていない。無理やり学校からはじき出されたんだ。
お前みたいなクズはいらない、学校の恥だ。クズは同じクズの掃除でもしていろってね。
そういう訳で僕は200年以上死神学校へと続くこの道を掃除している。
学校が始まって以来の出来事だったらしいよ。
「掃除係になって278年……長いようで短い」
「バウバウ」
番犬バウは百数年の仲だから大体目を見るだけで何が欲しいのかとかわかるようになった。
「みんな人間界に行って研修して立派な死神になって魂を
こっちに送ってきているのに僕だけ研修せずに掃除係に当てられた」
「バウ~」
「良いよ、別に。バウまで悲しむ必要はないから。鎌すら
まともに使えない僕が行っても被害が増えるだけ」
だって35年前に起きた死神が管理してきた悪の魂が解放された事件ですら
僕は召集されずに掃除係をしている。
何者かによって今まで死神が管理して来ていた二万体を超える悪の魂のみが
人間界へと解き放たれた。
それにより魂のバランスが崩れかけ一時は生と死がひっくり返りかけたけど
今はどうにかしてバランスを保っている。
そんな訳で猫の手も借りたい死神は学生にも研修として人間界で
悪の魂をこちらへ持ってくるように伝え今でもまだ続いているけど
2割ほどは捕まえられたらしい。
でも35年でたった二割。
全てを捕まえるのに一体何年かかるんだろ。
「一度で良いから人間界に行きたいな~」
「行かせてあげようか?」
「へ?……イ、イリスさん!?」
「久しぶり」
いや~懐かしいな!300年ぶりじゃないかな!?
入学式で一番に僕の話しかけてくれた彼女は
僕とは大違いにエリートのA組で常に首席、さらに悪の魂も
かなり彼女が送り返しているらしい。
「レイ君、私の助手として人間界に行かない?」
「行きたい!ぜひ行かせてください!」
こうして僕はようやく助手として人間界に行くことができるようになった。
懲りずにまた短編の投稿です。
いや~面白くもないのに投稿するなっていう話ですよね!
良ければ感想ください。
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