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銀の鷹  作者: sanana
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城-03


「私は、あなたの姉なのよ、絹花。」


二の句が継げない、というのは、こういうことなのだろう、と思う。

なんだかよくわからなくなってきた。

やっぱり夢を見ているのか?私は・・・。


「おい、絹花。大丈夫か?」

「へ?」

気がつくと、カイが心配そう中を押して私を支えてくれていた。

「いや、倒れかけたから。驚いたんだぞ。」

そ、それは誰の話、って言うか私?

どうやら私は一瞬倒れかけたらしい。

この二十一年間、一度だって倒れかけたことなんてないのに、それも驚きだ。

とはいっても、もともと膝立ち状態、大した高さはなかったのだが。


「大丈夫、だと思う。多分、もうこれ以上びっくりすることもないだろうから。

 そうか、私、一人っ子なのかと思っていたけど、違うんだ。

 五千万歩譲って一人っ子じゃなかったところは信じたとしても、

 そもそもあんなに綺麗な人がお姉さんだなんて信じられない、って、

 私、思ってること全部声に出ている気がするんだけど。」

「そうだな。全部声に出てるな。」

冷静に突っ込まないで欲しい、カイ。

そうか、思ってることダダ漏れですか。


「絹花、本当に大丈夫?」

女王陛下、もとい、お姉さま!が心から心配そうな顔でこちらを見ている。

よくよく見れば、父さんに似ている気がしてくるから不思議だ。


「はい、大丈夫です、続けてください。

 でも、失礼してこのまま座っていてもいいですか。」

このままだと、また倒れそうで、お姉さまに言ってみる。

若干自棄だ。

「もちろんよ、本当に大丈夫なの?そう、では続けるわね。」

カイにお礼を言ってしっかりうなずき返した私を見て、陛下、いや、お姉さまが続けてくれる。


「この世界とあなたの住む世界は、あるゲートでつながっているわ。

 それがあるのが時の神殿の時の扉、あなたのたどり着いたところね。

 そのゲートから、時の扉から絹花は出てきたわけ。

 そしてあなたの世界のゲートは、様々な場所にある。

 なぜかはわからないけれど。

 あなたがここに来たときに辿ったものも、そのうちの一つよ。

 ふふ、どんなふうにしてこちらにやってきたのか、今度聞かせて頂戴ね。


 そして、この世界の、というより、この国の人間は二十歳の時に一度だけ

 ゲートをくぐってもいいことになっているわ。

 そして最低七日間滞在してこちらに戻ってくる。

 行かなくてもいいし、戻ってこないこともあるわ。

 ただし例外を除いて必ず一度だけね。

 それ以上はゲートが通さないの。」


ゲートが、通さないって、何だ?

「通ろうとしても、ゲートが開かないってことですか?」


「そう。ゲートが発動しないの。

 通常は七日周期で開くのだけどね。

 例え他の人が通ろうとして開いたゲートでも、一度通った人が通ろうとすると、

 ちゃんとその瞬間ゲートが消えるのよ。

 理由はわからないのだけれどね。」


どさくさに紛れて入っちゃえー、とか、そういうことはできないんだろうか。。。


「では、父さんと母さんは。」

「この国の住人。

 もっと言うと、お父様はわたしの前の王だったし、お母様はお妃様ね。」


な、なんだってー?!


「王の子供たちは例外を除いてゲートは渡らない。

 お母様は二十歳の年にちょうど大きな怪我をしていたからゲートを越えなかった。

 だから、偶然にも二人とも一度もゲートを越えたことがなかった。

 だから、貴方のいた世界へ飛ぶことができたのよ。

 二十歳ではなかったけれど、強い力が可能にした。

 それはあなたがまだお母様のおなかにいるときのできごと。

 その旅立ちの日から私は女王になった。」


そうか、あの両親、実は王様と王妃様だったのかよ。。。

そして、その後を継いでお姉さまが女王陛下に。。。

でもお姉さまはそんなに年上に見えない。

ということは、子供のときに親と別れたということ?


「あなたの世界はね、こちらの世界の倍の速さで時が過ぎていくのだそうよ。

 私が女王になったのは、ちょうど十年前、十五歳のときだったわ。

 ああ、あなたには兄もいるのよ。もうすぐ来ると思うけどね。

 あなたの兄で、私の弟、ハルは十二歳だった。

 花盛りの中、お父様とお母様をお見送りに行ったのを覚えているわ。」


それでもそんな頃に別れて。

私が独り占めしていたってこと

でもなぜ?


「順番に話しましょう。

 この国の王族について。

 まず、王族にはたいていの場合子供が二人授かるの。

 一人目は王、または女王になるもの。

 二人目は王、または女王を支える力を持つものよ。


 でもね、言い伝えがあるの。

 王族に三番目の子供が出来たとき、その子にはある不思議な力があるはずだ、と。

 その力ゆえにその子は世界の悪に狙われてしまう。

 だから無事に育つまで、お父様とお母様はあなたと一緒に別の世界で暮らすことにしたのよ。

 幸いにもあの世界にもこちらから行ったものはたくさんいてね。

 暮らしていくには困らなかった。

 国や人の特徴だって、いろいろなところがあるのでしょう?」


「ええ、父さんはフィンランド、という寒い国の出身、母さんは日本、私がいた国の出身、

 ということになっていました。」


「そしてあなたは一度だけ通れるゲートに導かれ、この世界に戻ってきた。

 お母様のお腹の中にいた時のことは、カウントされていないでしょうから、

 大丈夫、あちらに帰りたいと思うならば帰れるはずよ。


 時が満ちた、そういうことなのかしらね。

 いつか帰ってきてくれると信じていた。

 でも、あなたが一人で帰ってくるとは思わなかった。

 カイがそんな予感を感じなかったら、あなた一人で寂しかったわね。」


「カイが?」


なんか、突っ込みどころが満載過ぎて、若干置いていかれそうなところを、

気力を振り絞る。

で、カイが、私が来るって、予感した?

なんで?


「そう。まぁ、大賢者の力、ってことかしらね。

 そして、肝心なあなたの特別な力、それはね、銀の鷹を見つける力なのよ。」


カイの予感のことは、軽く職業上の理由みたいなもので片づけられてしまった。

そして、いきなり私の特別の力なるものを言われたけど・・・

銀の鷹って…、ナニソレ。

日本野鳥の会とかに入っておいた方がよかったのかしら。


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