それは違いを感じること
現代、セクハラだモラハラだと何に対しても「ハラスメント」が付き纏う。学生への指導のために必要な知識は専門知識でも特殊な手技でもなくほとんどが「ハラスメント」の知識であり、指導者の講習はほとんど「ハラスメント」の説明、例題であると先輩から聞いたことがある。
90代、80代の高齢者はすごい。その一言に尽きる。それは戦後の厳しい時代を生き延び、人によっては親族を戦争で亡くした者、空襲に見舞われ疎開をした者、里子に出された者など様々である。話を聞くだけで壮絶な幼少期を過ごしていたとわかる。
その点平成生まれの私は恵まれていた。衣食住は不自由なく与えられ、決して裕福ではないが大好きな家族のもとですくすくと育った。言ってしまえばやや食べすぎたくらいだ。アルバムに映る私はいつもピンク色の服からちぎりパンのような腕や足を覗かせている。
昔は男は仕事が全て、女は家庭を守る。それが当たり前。子供は3人以上、女は25歳まで独り身であれば余り物。学校は大学まで行けるのは贅沢。
今の80代、90代の人は現代の経済の基盤を作り上げたと言っても過言ではない。朝から晩まで働き、家を、地域を、この社会を支えてきた。そんな彼らに私たちは感謝と敬意を現さなければいけないと感じる。
私が大人になった頃にはそんな時代はとうに過ぎ去り、両親共に働き家庭を支えていた。就職は選ばなければ割とどこでも受け入れてくれる印象。女も仕事を当たり前に行い、男も家事を当たり前に行う。「男女平等」なんて言葉が流行り始めていた。ついでに「働き方改革」なんていう言葉も出始め、休憩、休日、有給なんかについての企業の義務・個人の権利が強く世に知れ渡った。
私が最近受け取った言葉で印象に残ったものをここに書きたい。「男の給料をもっとあげなきゃかわいそう」「俺の趣味特技は仕事、そのほかにはない」「今の奴らは休みすぎだ」「女が家を守る方がうまくいく」「子供が1人なんてかわいそう」「料理ができないなんて旦那がかわいそう」
もしかしたら合っている言葉も多々あるのだろう。人生の先輩だから、患者様だからと我慢しているが思うことは色々ある。
本当に私たちがかわいそうだと思うのであれば、お金をこちらに回してくれ。と心の中で少し思ってします。私たちの一生懸命働いたお金は年金、社会保険料に手取りの2〜3割くらい当てられている。
ちなみに、ここまで働かなくてもいい社会を作り上げたのは、便利な食品たちを作り上げて料理にコストをかけなくても済むようにしたのはあなた達なのではないかと考える。私たちはきっとどう生まれてきてもある程度、家庭が一般的であれば何不自由なく過ごして、仕事をしてあなた達が思う「かわいそう」な人間へとなるだろう。でもそれを作ったのはあなた達の世代やその子息ではないか。
と、やや話が逸れてしまった。
毎度そんな言葉をかけられるたびに心に渦を巻く私が悪いのだろうか。でも、私は今幸せだし、満足しているわけではないが不自由なく過ごせている。
自分のことを「かわいそう」だと感じるのであれば、老後の心配が絶えないことである。「老後2000万円問題」、なんだそれは。それでは子供なんて育てる余裕もない。今支援を受けている高齢者の方は、働いている時はさぞ大変だったのだろう。しかし、老後はどうだ。支援、給付を受けられる制度が整い、納めていた分十分に年金が支払われる。十分であるかは人によるであろうが。
私たちは年金を支払い続ける人生だが、老後十分に支払われる保証はない、そんな状態でマイホームを購入するだろうか、マイカーを選んでいる余裕があるだろうか、人の人生を背負うことができるだろうか、そんな不安と22歳から戦っているのだ。
自分を正当化したいわけではないが、あなた達にはあなた達の、私達には私達の不安や可能があることをわかって欲しいだけなのである。
確かにあなた達はすごい。この日本を作り上げた。そんなあなた達を支援する私たちはかわいそうなのだろうか。




