流れて流れて
何か嫌な予感しかしないキャスティングです…
「2組の鎌田の話聞いたかー?」
「あー!アレな。櫛田先輩に告ったって奴?あれマジ!?」
「マジも大マジよ!櫛田先輩がネタに言いふらしてる!」
「やべーな。俺、昨日鎌田と便所隣りなった!」
「おめー狙われっぞ!」
「やべーな!ケツ穴の危機!いやぁーん」
「ギャハハ…」
俺の一世一代の決死の告白はこの学校の恰好のエンタメになった。
俺は高校を中退した。
○○○○○○○○○○
「オェェェ…」
「蓮、生き返ったー?」
「あーい。」
「3番テーブルミア姫ががお待ち兼ねだよー!ドンペリ開けてくれるってさー。気張ってこー!」
「おーっす!」
「姫〜会いたかったあー!やっと俺に会いに来てくれたねー!」
「だってさあ。蓮の順番中々回ってこないんだもーん。浮気しちゃうよー?」
「酷ーい!俺姫の為だけに無理して頑張ってるのにー!」
「もー!調子良いことばっか!」
俺は流れ流れて歌舞伎町でホストになった。
女にチヤホヤされて楽そう…なんて事はなく、所詮職場は男の競争社会、体育会系だ。
無理矢理高い酒を飲んでは吐き。
いかに客から金を落としてもらうか。
売り上げ成績のみががそこで生きる人間の価値基準で、俺の本質なんてどうでも良い。逆に気持ちは楽だった。
この世界でテッペンを取りたいとかの野望は俺には無く、女を手玉に取れたら満足で、ただただ今まで世の中から受けて来た事への復讐みたいだった。
生憎俺は見た目には恵まれていたので、そこそこ人気はあった。
トップを狙う気も無かったので、そこそこ金が貰えれば良いと思っていた。
「鎌田、大丈夫か?顔色会う度わるいぞ。ちゃんと食ってんのか?」
「うんー!ありがとー。心配してくれんのは高橋だけだわー。俺、親にも愛想尽かされてるしー。愛してるー!」
「あはは、そーゆー言葉は本気の相手だけに言いな。」
「なら大好きー!」
「サンキュ」
高橋だけは高校の頃からの親友で、俺がゲイだろうが、俺が学校やめた後も唯一気にかけてくれた。
俺は高橋には恋愛感情はなく、気持ちを許せるただ1人の親友だった。
高橋には弟がいて、今度高校生になる。
高橋の弟はゲイだ。だから俺にも色々アドバイスを聞いて来たりもしていた。
「俺の経験上、学生の内は周りにカミングアウトしない方が良いと思う。周りもまだ子供だし、無駄に傷つく事も多いだろうし、恋とか怖くて出来なくなるかも知れない。」
「成る程なー。弟には幸せになって欲しいけど…高校生なんてすぐ人を好きになる時期だしなあ。」
「そうだよねー。で、高橋は今はどんな感じ?」
「うん、彼女とも順調だよ!」
「そっかそっか!良かったー。」
○○○○○○○○○○
「蓮、今度撮影やるけど行ける?」
「はーい、大丈夫ですよー!」
俺は人伝てで男優のバイトも小遣い稼ぎと趣味を兼ねてしていた。
まあ、いわゆるゲイビだ。
俺は見た目王子様系で、しかもタチ、正直同類からはウケは良くない。
主に女が見て喜ぶタイプの作品だ。
まあしかし同類向けよりも、女向けの作品の方が世の中のBL効果か需要は多く売り上げは良いらしい。
ホストクラブの客にも勧めて買わせている。皆喜んで観てる。俺はバイで通している。
今回の相手役は多分まだ高校生にもなって無い様な子供だった。
俺の好みは成人男子だ。
「カントクー、正直俺、この子で勃つか自信ないですー。」
思わず弱音を吐いた。
「ならさー、今回キメセクやろっかー。ギンギンなるよー。」
俺は興味本位で了承した。
「この子はねー、前回撮った時が初めてでねー。そん時はキモ親父充てたんだけどさー。初めての精通ってタイトルでねー。ねっとりと。イマイチ不評でね。今回は女にターゲット絞ってるからさ、キラキラネチネチやってねー。」
「ムズイ事言わないでー。」
「じゃ蓮、これ飲んでー」
「はーい」
「じゃ行くよー!スタート!」
この時、初めて薬使ってヤッた。
目がチカチカして何か全身性感帯になったみたいで、感度も凄くて、何回イってもずっと勃ってて…
とにかく凄かった。
○○○○○○○○○
この「レンとナオキ」は好評で、3作シリーズで出した。
その後この子はどうしたのか分からないけど、この後現場で会う事は無かった。
この時から薬使ってヤるのにハマって来ていた。
ただ、彼氏も出来て教師をやってる堅気だったので、ソイツとヤる時は使わなかった。
初めはすぐやめられるって思ってた。
しかし段々無いと物足りなくなっていた。




