◆ツクヨミ編 ~情報王の次なる一手~
謁見の間から、エルフも、獣人も去っていく。
残されたのは、俺と、そして、俺に絶対の忠誠を誓う、数名の「地下攻略組」の家臣たちだけだ。
俺は、玉座に深く腰掛けたまま、次の展開に思いを馳せる。
(エルフは、これでいい。目的はなった。次は獣人、そのうちズリ本人がやってくる。賢者ズリ、楽しみだ。どれほどの傑物かを、早くこの目で見てみたいものだ)
家臣たちは、そんな俺の様子を、ただ、固唾をのんで見守っている。
俺は一人の家臣に、静かに問いかけた。
「エルフたちに、護衛として付けた、ゴウダの件だが」
「はっ!」
「彼には、くれぐれも、エルフの国の、内政や軍事には、深入りせぬよう、改めて、伝えておけ。彼が持ち帰るべきは、あくまで、民の暮らしや、文化、そして、土地の情報だ。…カイとソラを、刺激するな」
「御意。やつに矢面に立たせ、あのもの達の存在を気取らせないようになさるおつもりですか?」
「そうだ。ゴウダには、せいぜい目立つように立ち回らせろ。この程度の情報しか集めていないと錯覚させる為にな」
そしてふと、一瞬言葉をとめる。
「エルフの次だがな、そのうち獣人の賢者ズリが来るだろう。そのうち、向こうの間者からも情報が入るはずだ。今度は、ミスラも隠れてコソコソ入ってくるようなムダはしないはずだ。堂々とズリともども、やってくる。だからな、盛大にもてなしてやろうではないか」
俺は、高笑いをあげて、家臣たちにつげるのだ。




