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三柱ゲーム  作者: さらん


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75/102

◆アマテラス編 ~再会の衝撃~

偽りの旅装束に身を包み、数週間にわたる、長く、険しい旅路…。


カイとソラ、そして三人の供は、ついに、目的地である「人間の国」の城下町へと、たどり着いた。


彼らは、その街の活気に、まず目を見張った。


(…これが、新しい王の国か。リーフの報告にあった通り、不気味なほどの静けさはない。むしろ、活気がある。民の顔にも、恐怖の色はない。ただ、懸命に、日々の暮らしを営んでいる…)

彼らは、ロランの指示通り、まずは街の宿に部屋を取り、旅の疲れを癒す傍ら、街の様子や、新しい王の評判について、情報を集めることにした。


民衆からの評価は、とてもいいようだ。

これなら、ドワーフ王に引き続き、良好な関係を築くことが出来るかもしれない。

あとは、リーフから話を聞いて、確証を得るだけだ。

カイとソラは、ロランの慎重論に少しだけ引きずられすぎたと、安心していた。


その夜。

カイは、供の一人に、賢者リーフの住むという森の集落へ、密かに使いを出す。


「古い友人が、会いたがっている」と、ただ一言だけを伝えるために。


翌日の深夜。

宿の一室の扉が、静かに、合言葉と共にノックされる。


扉を開けると、そこに立っていたのは、50年振りとは言え、エルフ族としては、少々疲れ、憔悴した表情を浮かべた、賢者リーフ、その人だった。


「リーフ…!無事だっか。本当に良かった…!」

「リーフ!会いたかったわ…!」


二人は、思わず駆け寄り、再会を喜んだ。

だが、リーフの表情は、硬いままだった。彼は、カイとソラの背後に、ピタリと扉を閉めると、第一声を放つ。


「…カイ様、ソラ様。なぜ、かような危険な場所に。一体、何をお考えなのですか」


その声は、再会の喜びよりも、深い困惑と、そして、切実な焦りに満ちていた。


「君からの報告書を読んだ。黙って、本国で待っていることなど、できなかった。同胞たちが、危険に晒されているかもしれないのだ」

「そのお気持ちは、痛いほど分かります。ですが…あなた方が、直接お越しになることが、どれほど危険なことか、ご理解頂けていない…!」


リーフの、ただならぬ様子に、カイとソラも、ゴクリと息を呑んだ。


「…教えて、リーフ。この国の新しい王は、一体、何者なの?あなたに、なにをしたの?あなたが、これほどまでに恐れるなんて」


ソラの問いに、リーフは、一度、固く目を閉じた。


そして、顔を上げた時、その瞳には、あのドワーフ王と対峙した時とは、比較にならないほどの、深い、深い**「恐怖」**の色が浮かんでいた。


「かの王は王は、神です」

「神…?どういうことだ」

「ご安心ください。王は私たちに、この国での安住を約束されました。私にも、直接的になにかされたわけでもありません。」

「それなら、何故、あなたほどの人物が、そんなにも怯える必要があるというのですか?」

「…。ですが、だからこそ、その事実が私はとても、恐ろしい。かの王は、我々の想像を、遥かに超えた、神の如き知性をお持ちです。かの王は、全てをご覧になっている。私たちエルフの動向。おそらく、これら全てを見抜いておられます。」


そして、リーフは、震える声で、あの謁見の日、おのれの心に聞こえたような声を、その恐ろしい一言を、二人に伝えた。


「『俺は、お前たちの全てを知っているぞ』…と」

「……!!」


二人は、言葉を失った。

自分たちの浅はかな「偽装」など、とっくに見抜かれていた。その上で、あの王に、自分たちは、泳がされている。


その、あまりにも恐ろしい事実に、二人の背筋を、冷たい汗が伝う。


「どうか、お二人とも、お考え直しください。今すぐ、この国を立ち去るべきです。あの御方は、我々が、これまで出会った、どの王とも、どの種族とも、次元が違う。あれは…人の姿をした、**『怪物』**です」


賢者リーフからの、戦慄の報告。

カイとソラは、自分たちが、とんでもなく危険なゲームの盤上に、自ら飛び込んでしまったのだという事実を、今、ようやく理解する。


ちょうどその頃、玉座にて俺はその報告を受けていた。


「やっと、来たか。エルフの本国の民よ。これで、後1つ揃えば、全部だなぁ。早く全部と会いたいものだ、な。ゴーレム1号」

「?」

「独り言だ、気にするな」


俺はゴーレム1号の頭を撫でてやる。

蛇の気配の変化を感じ取りながら…。


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