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三柱ゲーム  作者: さらん
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◆スサノオ編~獣王ライ、城の催促と「真意」~

翌日、ライは早速、城担当を命じたオスたちを呼び出していた。彼の表情には、待たされることへの不満が隠しきれない。


「余の呼び掛けに応えてくれたこと、礼を言うぞ。」


オスたちは一斉に膝まづき、その言葉に応えた。


「獣王様、此度のご要件を賜りたく。」


ライは単刀直入に、そして少し本音を混ぜながら不満をぶつけた。


「では、単刀直入に問う。いつまで余を地面に寝かせるつもりかっ!! いつまで経っても、伽が来ぬではないかっ!!」


(ギクッ)

オスたち全員の背中に冷や汗が流れ落ちる。彼らは、王の短気に怯えながらも、その言葉の裏に隠された真の焦りを悟った。それは、単なる「立派な城」ではなく、王としての生活基盤、特に夜の営みをも含めた「快適さ」の確保こそが、ライにとって最優先事項なのだ、と。


「お、恐れながら申し上げます。現在、獣王様に相応しくなる獣王城の計画中でございます。不敬ながら、今しばらく、今しばらくお時間を賜りとうございます。」


ライは鼻を鳴らし、苛立ちを隠そうともしない。


「ふん、さっさと準備せよ、ウスノロどもが。」

「ははーっ。」


獣王の御前を、オスたちは慌てて下がっていく。彼らの脳裏には、築城への新たな、そしてより切迫した目的が刻み込まれていた。



◆オスたちの憔悴と女官たちの嘲笑、そして「伽」の意味


獣王ライの御前から下がってきたオスたちの顔には、一様に憔悴が見られた。彼らはただでさえ抽象的な命令に頭を悩ませていたところに、王の強烈な「本音」を突きつけられ、精神的に追い詰められているようだった。


そんな彼らを一瞥した女官の一人が、小馬鹿にするような口調で声を掛ける。


「おや、どうしたんだい? そんなに顔色を悪くして。また獣王様になにか言われたのかい?(ケラケラ)」


(畜生。自分達は獣王様と上手くやれてるからって、毎回からかいやがって)

オスたちは悔しそうに、その場を後にするだけだった。

彼らが築城チームに戻ってくると、残りの獣人たちが全員駆け寄ってくる。オスたちの顔色から、全員が悪い報せを予見し、彼らの言葉を待った。

先頭のオスが、重い口を開いた。


「獣王様は、伽を楽しみにしておられた。」

「「「!」」」


その言葉に、集まった獣人たちの間に戦慄が走る。伽。それは獣人の世界において、単なる個人的な快楽以上の、重要な意味を持つ。強い血を残し、獣人の繁栄を確かなものにするための、この上ない意味を持つ行為なのである。


「そうか、獣王様は……。」

「うむ、その為に少しでも早い城の完成をお望みのようだ。」


獣王の要求の真の変化を、全員が理解した。単なる「立派な城」ではなく、「伽」という種の存続に関わる喫緊の課題解決のため、城が求められているのだと。


「であれば、早急に完成させねばなるまい。」

「かと言って、あからさまな急ごしらえでは獣王様に納得して貰えるとは思えん。」

「さようさよう。却ってお叱りを受ける可能性すらあるぞ。」


一人が焦れたように周囲を見回して尋ねる。


「うーむ、あの者らはまだ帰ってこないのか?」


もう一人が、肩を落として答えた。


「まだ連絡もないな。」

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