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三柱ゲーム  作者: さらん


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37/102

◆アマテラス編~100年後の焦燥~

それからさらに70年。カイとソラがこの地に降り立ってから、実に100年の歳月が流れた。エルフの村は、変わらず穏やかで平和な日々を送っていた。


高天原で、相変わらず気ままに過ごしていたアマテラスは、ふと、ゲームの状況を思い出したように確認した。ツクヨミの国は相変わらずドタバタしているようだし、スサノオの国は立派な城を築き上げたらしい。そして、自分のエルフたちは……


うん、特に問題なく生活しているようだ。活気がないわけではない。アマテラスは、当初は満足気に頷いていたのだが、ふと、あることに気づいた。


(あれ? エルフの一族は、自分の陣地に籠ったままだわ。)


確かに、世界統一などは望んでいないと最初に言った。しかし、ゲームの勝利条件は、一番栄えた国が勝利なのだ。このままでは、負けはないかもしれないが、勝ちもない。いや、一番になれなかった時点で、それは負け確定なのかもしれない。負けないことと勝つことは違う。勝ってこそ、勝利なのだ。


アマテラスは、ようやく事態の深刻さに気づき、慌てて行動を起こすことにした。


「ねぇ、エルフの長老とカイを呼んで来て!」


高天原の一室に、エルフの長老とカイが呼び出された。二人は、神の御前に緊張した面持ちで膝まづき、アマテラスの言葉を待った。


アマテラスは、ぷくーっと頬をふくらませながら、少し不満げな口調で言った。


「ねーねー、あなた達はなぜ国を広げないの?これじゃ勝てないじゃない」


長老は、(ワシは関係ないはずなのに)と思ったが、この女神に理屈は通じないことを知っている。仕方なく、形式ばかりアマテラス側に立って、カイに問いかけた。


「カイや、なにか理由でもあるのか?」


カイは、落ち着いた声で答えた。


「はい、女神様はおっしゃいました。とりあえず統治してと。方法は任せると許可を頂きました。ですので私とソラは長老のやり方を思い出しながら、平和に暮らしてきました。」


さすが、長老が選んだ若者だ。長老の村と同じく、平和に生活基盤を整えていた。


「でもでもそれだけじゃ困るのぉ。もっと陣地を広げてよぉ。」


(この女神様のワガママも相変わらずか。)長老は心の中で嘆息を漏らした。しかし、口に出すことはできない。


「カイよ。女神様もこう仰っておる。どうだ、2000人ほど、ドワーフの国に移住させてみては。もしかすると、ドワーフの道具なども手に入るかもしれんぞ。そうすれば、もっと生活しやすくもなるというもの。」


長老は、さりげなく、しかし具体的な提案をした。ドワーフの国ならば、エルフとは異なる文化を持つため、交流によって新たな発展が期待できるかもしれない。

カイは、長老の提案に目を輝かせた。


「それはいい考えですね。さすが長老ですっ!!」


アマテラスは、少し不満そうな顔をした。


「ちょっとぉー、そこは私に感謝するところでしょう?」


長老は、慌ててカイに目配せをした。


「そ、そうだぞ、カイ。女神様に感謝せねばな」


カイは、慌ててアマテラスに向き直り、頭を下げた。


「はいっ。そうでした。ありがとうございます、女神様」


エルフに2回目のご神託が下されたのだった。それは、平和な生活から一転、新たな行動を促すものだった。

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