◆スサノオ編~苦悩の賢者~
ここ、少し細かく分けすぎてバランス悪いので、3話一緒に公開します
ズリは、自分の執務室に戻ると、信頼できる配下の者たちを呼び集めた。
「獣王様からご下命が下された。これより諜報部隊を編成し、他国の動向に探りを入れる。」
(考えてみれば今更な話だ。スサノオのご神託などなくても、やっていて当たり前だったのだ。今まで気づかないほど、獣人族は呑気だったと言われても面目が立たない。)
「なるほど、では前回と同じ人選で?」
部下の一人が尋ねた。前回、他国の城を偵察した際は、鳥人を中心としたスピード重視の編成だった。
「それでもよいが、そこのお前はどう思う?」
ズリは、別の部下に意見を求めた。
「はい、前回はスピード重視でしたので鳥人主体でした。今回も目的にあわせて人選すべきかと。」
「その通りだな。」
ズリは、部下の意見に同意した。今回の目的は単なる偵察ではない。他国を征服し、獣人が世界を統べるための機会を伺うことだ。
「今後は他国を獣人が世界を統べるべく機会を伺うことが目的だ。それぞれ明日の昼までに、人選してみよ。その上で諜報部隊の編成を決めようではないか。」
「「「承知しました。」」」
部下たちは、それぞれの任務を理解し、力強く頷いた。ズリは、彼らの返答に静かに満足した。孤独な戦いは始まったばかりだが、信頼できる仲間がいれば、きっと乗り越えられるはずだ。




