◆アマテラス編~エルフご信託を授かる~
アマテラスの部屋に招待されたカイとソラ。先ほどの騒ぎが嘘のように、室内は穏やかな空気に包まれていた。しかし、ソラの表情には、まだ警戒の色が残っている。
アマテラスは、二人を前にして、改めてにこやかに語り始めた。
「それでねー、とにかく普通に国を治めて栄えさせて欲しいのよ。世界統一とか求めてないわけ。世の中平和が1番よね♡」
カイは、アマテラスの言葉に真剣な眼差しで頷いた。
「平和な世界は同意します。それで具体的には、なにをすればいいのでしょうか?」
アマテラスは、少し不思議そうな顔をした。
「今言ったでしょ?普通に治めてね♡方法はお任せするわ。だってあの長老に推薦されたのよ、あなた達は。私の指示なんて必要ないわよね♡」
アマテラスのあまりにも曖昧な指示に、ソラの顔も青ざめていく。自分たちは一体、どんな世界に送られ、何をすれば良いのか、全く見当がつかない。
アマテラスは、二人の不安など気にも留めず、楽しそうに微笑んでいる。その笑顔は、太陽のように明るく、しかしどこか底知れない。
二人の若者に、幸多からんことを。しかし、その未来がどのようなものになるのか、アマテラスですら、まだ知らないのかもしれない。




