◆スサノオ編~三年の歳月、ついに完成の時 ~
そうして、最初の神託から三年という月日が流れた。
何もない平原に、威風堂々とした獣王城がその壮麗な姿を現した。堅牢な岩盤を基礎とし、高くそびえる塔、広大な広場、そして絢爛な装飾が、まさに獣人の王にふさわしい威容を誇っている。
スサノオの気まぐれな一言から始まった、この国の難事に、ついに終止符が打たれる日が来たのだ。
それは、知恵を絞り、汗を流したオスたちの努力の結晶であり、獣王の寵愛を巡り、密かに火花を散らしたメスたちの熱意の賜物でもあった。どちらか一方でも欠けていたとしたら、この偉業は決して達成されなかっただろうと、後の言い伝えは語っている。
◆獣王ライ、民衆へ語る
獣王ライは、完成したばかりの王城のテラスに立ち、眼下に広がる獣人たちの群衆を見下ろしていた。彼の胸には、ようやくスサノオの神託を達成することができたという満足感が満ち溢れている。
深呼吸を一つすると、ライは力強い声で国民全員に言葉を授けた。
「皆のもの、これまでよくやってくれた。余は満足しておる。」
その言葉に、平原を埋め尽くす獣人たちから歓声が沸き上がった。三年の長きに渡る努力が報われた瞬間だった。
しかし、ライは満足感に浸るだけでなく、その視線は更なる高みを見据えている。
「しかし、まだ世界を統べるという目標は果たされてはおらん。これからも余の為に、そして獣人の未来のために、力を尽くすことを期待しておるぞ!」
獣王ライの新たな号令が、獣人たちの胸に、再び熱い闘志を灯した。彼らの目は、次の目標へと向けられ、その咆哮は、より一層力強く平原に響き渡った。




