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三柱ゲーム  作者: さらん


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102/102

◆ツクヨミ編 ~王の最初の勅命~

うっかりその2です

ホントならエピソード4のはずだったものです

情けない_| ̄|○ il||li

俺の前で膝まづく元ドワーフの家臣たちに目を向ける。


「許す。面をあげよ」

「「「!」」」


(一度言ってみたかったんだよなー、こんなセリフ)


彼らの顔には、忠誠よりも、ただただ深い困惑と、得体の知れない俺という存在への恐怖が浮かんでいる。


「今日から、俺がお前たちの新しい王だ。文句や質問はあるだろうが、一切受け付けん。これは、神によって定められた、覆らぬ決定事項だ。いいな?」


有無を言わさぬ口調に、家臣たちは、ただ黙って頷くことしかできない。


「いいか。俺はこの国のことを、何も知らん。まずは知ることから始めることにする」


俺は、家臣たちの中から、辛うじてリーダー格に見える男を、まっすぐに見据えた。


「最初の仕事だ。この国の現状を、洗いざらい正確に、詳細に報告しろ。人口、食料備蓄、国庫の金、武具の数…考えうるもの全てだ。他の者と協力し、明日のこの時間までに、書面でまとめ、この玉座の間に持ってこい」


それは、あまりにも一方的で、しかし、具体的で、疑う余地のない、王としての最初の「勅命」である。


指名された男は、一瞬、戸惑いの表情を浮かべたが、すぐに、かつてドワーフの王に仕えていた頃の習慣が蘇ったかのように、力強く、そして深く頭を下げた。


「はっ!しかと、承りましてございます!」


その声に、他の家臣たちも、我に返ったように、一斉にひれ伏す。


「その前に、広場の民衆の対処だな。俺が王とお前たちが認めていることを知らしめる。ついてこい。」


俺と家臣一行は、バルコニーへと向かう。

広場を埋め尽くす、無数の、新しい「人間」たち。

彼らに向かい、俺は、できるだけ簡潔に、そして、できるだけ尊大に聞こえるように、声を張り上げた。


「静まれ!俺が、お前たちの新しい王だ!案ずることはない。詳細は追ってここに居る家臣たちに通達させる!それまで、普段通りに生活していろ!解散!」


その言葉が、彼らにとって、救いになったのか、それとも、さらなる混乱の始まりになったのか…。


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