戦況が変化して来た
衛琉を加えた4人は、頷くのであった。閲呉の話はとても具体的であった。説得力も備わっているのである。
「これは、改善を要す。緊急にだ。巍然族に対する為には、確かにこの爆撃が有効ではあるものの、数も少ない。もっと巨大なものが必要だろうと思った。しかし、空からそんな大きく、重いものなど落とせる事も無い。気藍、そこは考えてくれ。色々お前には開発を指示しているが、ここは皆の知恵も借りよう。抜燐師にもだ。俺達は、この知恵者の情報だけを入手していても、実際に参加して貰っては居ない」
「うーーーん・・気難しい師匠さんですからね」
「だから、皆で押し掛けるのさ。まあ、そこは以上だが、この翼には、少し改善点があった。飛翔速度には満足しているが、方向転換する時に横風を受けるんだな」
「はい、又改善点を工夫しながら、試翔をお願いします」
「頼むよ・・あ、言っている時に、今閃いたんだが、良いかな?」
「え・・ええ」
4人が眼をぐりぐりとすると、閲呉は、
「あのな、平原の向こうには3つやはり火山と言うのが見えていて、一つは今回噴火した山だろう。又更に奥にもやはり白い噴煙を上げている山があった。もう一つは、ここから一番恐らく近いと思う。そこは噴煙を上げて無い山だった。まあ、そこは俺が又白岩に絵を描くととして、この山なんだ・・」
「この山?何か・・・」
やはりきょとんとする4人であった。
「うん、近頃噴火してこちらに飛来した噴石はでかいものの、非常に軽いし、穴が一杯開いているよな」
「ええ・・」
「思った事だが、この岩山の頂上は何時も豪風が吹いていて、ぐるぐるそれが回っている。飛翔隊はそこを超える事は出来ないんだ」
「そうだよね、今までもそうだった。それ故にこの地が守られていると言う事もあったと思う」
「そうだ。守護に適した場所だからこそ、又黒魔洞しか向こうの平原と繋がっていないからこそ、俺達の平原には敵が進出して来なかった。そこは大きな一点だ。そして、この噴石が今閃いた事だ」
「砦、壁にしているよなあ・・」