敵襲!
「ほう・・これが魔虫?」
「抜燐殿は、寄生虫だと言っていた。つまり、生体の中に入り込み、その体の栄養素を横取りしながら、最後には脳・つまり、頭の中を支配する。それが、猛烈な食欲となり肉食的な魔人に変えると言う事だ。それを赤魔洞の薬湯の中に混入し、赤魔、緑魔、白魔人を実験的に創出したと聞く。そして、その魔人によって自分達も食われると言うとんでもない事をやっちまったんだがな」
「むう・・それでは、抜燐殿は・・」
閲呉が制した、言葉の先を
「早合点しては、そこの部分は違う。抜燐師は同時にその魔虫を除去出来る事を実験していたんだ。事実、耳洞族と、上原族には魔虫に寄生されたものは居ない。何故なら、薬湯の分量を変えた事と、沸騰した水を飲んだからだ。また、食う事に対しても必ず、煮る、焼く事を常にしていた」
「成程・・しかし、巍然族は・・」
「一度寄生されたら最後、死ぬまでそれは離れない。と言う事だ」
「閲呉殿、良く理解出来たが、自分にそれを説明してくれた理由とは?」
「今、どうしてもこの戦いを避ける事は出来ないと思う。そこで、自らが当然先頭に立ち、軍と言う組織としての戦闘は必須だ。武力に長けた武将は周囲には元々大将でもあった、室蘭、恵比寿、馬路、安良他10名以上は、鉄柱の錚々たる者達だと思う。だが、もっと人が居る。備前、お前には、我が軍の側近の知恵者として加わって欲しい。八色もそうだ」
「しかし・・自分は」
備前は、武力者では無い事で否定しようとした。
「陣内には、燕尾、気藍、そして馬路、物探と言う知恵者が居る、武力も持つが、これからは大軍勢に対する、こちらは小集団としての組織戦が必須だ。これを勝ち抜かねば、もはや、こちらの火山とて何時火が吹くかも知れない。このような状況で生き延びると言う選択肢を持つのが、この眼前の、元はお前達耳洞族の住んでいた土地なんだ。それを取り返さないか?我と一緒に。お前なら右腕になれる。燕尾、気藍と並ぶ、いや、それ以上の軍師として迎えたい」




