敵襲!
「む・・むむっつ!こんなに硬い岩だったのか」
「そのようですね。この岩石は確かに軽いものの、とても硬い岩のようです。故に、現防御壁は、理想と言えましょう。そして、この岩石は、今の刀の素材とも非常に近いものだと言う事です。その刀が何故上原族にあったのかもご存じでは無いでしょう?」
「ああ・・知らん。知らずに使っていたからなあ」
そうなのだ。こんな事も誰も殆ど知らなかったのである。しかし、今の気藍の言いぶりだと当然彼女は知っていた事になるだろう。
「その辺も、これから武装と言う事は非常に大事になって来ると思います。なので、その資源についても話し合われるとは思うのですが、恵比寿部隊長、2つの目標に跳ね返されはしましたが、その刀の素材はいかがですか?」
「いや・・硬いし、刃毀れも無かった。しかし、これと同等と言う事は、もし巍然族と戦った場合、これでは倒せないと言う事になる」
「そうですね、同感です。以前戦った物探殿もそう言われておりました。相手は体力を消耗しきったふらふらの者。しかし、それでも倒す事は容易では無く、逆に鞭の先についた刃物でこちらの腕は切られたのだと」
「ああ・・見ていた。助太刀も考えたが、どうにか倒したよな。でも、物探が言うには。亜巍然族の皮には硬いものとやや柔らかいものがあって、戦った相手は相当硬い皮だったようだ。物探の今武装具が一番硬そうだ」
気藍は頷きながら、その場を後にした。
「はは・・成程。武具の刀や硬い刃物等は元々あったから、考えた事も無かったわなあ。先祖がもう少し高い文明と言うものを持っていたとは聞いているし、耳洞族もその文化を持って居たと言う事だから、恐らく黒魔洞向こうの大地のどこかにその資源があるのでは?確かに巍然族の鞭のような武具は強力であり、体も大きい、膂力もあるので、こちらは至近距離で戦う事は難しい。倒す事は相当やっかいだとは思っていた。ただし、こちらも矢弾であるとか、開発中のこれらの武具は強力ではあるとは思うが、今までの戦いとは異になる気配がするよな。恵比寿の言うように、武具の強化は必要だろうし、鞭に対抗出来る技を磨く事も必要だ。気藍、魔虫の事についての情報は集まっているか?」
閲呉は突如話を切り替えた。




