敵襲!
「この状態は、勿論今複数の砦を建立中ではあるが、なにせ労力は限られる。幸いにもこの飛来した岩石が軽いので、助かっているけどなあ・・」
この石組に少し不満そうな声が聞こえた。恵比寿である。
気藍が聞いていた。
「恵比寿部隊長、何かご不満が?」
「いや・・既にかなりの通路兼防御壁は出来ているし、思うよりこの岩石が軽い分、作業的には楽ではあるが、延々と何時までこんな事をやるのかと言う事とな?この岩石は脆いのではないのか?」
「成程・・では、試して見られますか?その眼の前の岩を恵比寿部隊長の自慢の刀で切って見て下さい」
「え?そんな事をしたら刃落ちが・・」
しかし、気藍はにこりとし、
「大丈夫です。巍然族の今の武装と比しての違いも分かりましょうから、その横に巍然族の皮も並べます」
「あ・・おう・・」
半信半疑になったが、恵比寿もまた豪将の一人だ。
「えいやあっつ!」
気概一閃して、大きく振りかぶり眼前の岩を叩いたが、
「きいいーーーーん!」
音がしただけで簡単に跳ね飛ばされたのである。その衝撃に刀を離したのだった。
「うおっ!刀が・・」
「大丈夫です。刃こぼれはありません。こっちの巍然族の皮はどうでしょう?」
やはり同じく刀は跳ね飛ばされたのである。