敵襲!
こうして、数百体の皮を削ぎ、こちらの上原族の体に合うように、そして動きやすいように加工すると今までに無かった武具が完成したのだった。
だが、この過程の中で、まだ息があった巍然族の反撃があった。対したのが物探だった。
「ぐおおっつ!」
突然立ち上がった巍然族に思わず、
「うおっ!」
飛び退いた物探だった。この武将も小隊長で有り相当な男であるが、その巍然族の振り回した鞭風の武具に右腕をスパッと切られた。
「ぐ・・」
滴り落ちる血ではあったが、致命的なものでは無い。
「くそ、こいつ生きてやがったのか」
物探は、持っていた長刀風の武具で、「いやああっつ!」
巍然族のその硬い体にそれを切りつける。
「がちーーん」
その皮は硬く、跳ね飛ばされたものの、物探のその威力は、巍然族もかなりのダメージを火弾、大火によって受けていたのだろう。「ぐ・・」膝をついた。物探は、跳ね飛ばされた長刀を取り、
「いやああああっつ!」
再び、今度は自分の倍ほどもある巍然族の頭上にそれを振り下ろした。しかし、巍然族は右腕でそれを受ける。やはり「がちーーーん」火花が散った。その腕を切り裂く事は出来なかったものの、その腕はどうやら、折ったようである。「ぐぐっつ!」