敵襲!
燕尾はその必要が無いと言い切った。閲呉は、複雑な顔をしながらも気藍も同じ事を言うので、ここは二人の意見を素直に聞くのであった。
だが、この暗路の先は途方もなく広い場所のようだ。彼らは圧倒的な敵を一時的に防衛出来たに過ぎず、着々と守備の備えをしているものの、何時攻めて来られるかと言う圧迫感が常にあった。その為の魔物使いには、魔物使いだと言う反撃策は必須のようだ。3将は特にその技を磨くのだった。そして、八色が確実に狙った怪物を倒せるように、笛の改造を自ら発案すると、山岳集団に居た抜燐がそこから逃れて来て、絶滅寸前まで追い詰められながらも、急峻で、厳しい山岳の中でもこの魔物使い集団?それは、既に名前が抜燐によって告げられた。彼らは、相当遠くにある砂漠を塒にしていた。巍然族と言うらしい。その地では、やはり魔物達が跋扈しており、その魔物達との戦闘が約300年続き、とうとうその魔物を制御出来るようになった。そして、この黒魔洞向こうの肥沃な大地に魔物を伴い攻め込んで来たと言う事らしい。彼らは強かった。それまで平和に暮らしていたこちらも上原族と言う事も分かった。そして、言語はたどたどしいものの、楽理の煙を多用すると、咽頭がやられ、言語が使えない事が分かった。そして、この笛を多用した事により、耳石がやられていた事も判明し、少しずつだが、抜燐がその医術により回復している事も判明した。上原族と、こちらは耳洞族と言うらしい。同じ人種であるが、それぞれに昔は親交もあり、諍いも殆ど無く行き来もしていたようだ。全ては巍然族の侵攻によってこうなった事も分かって来ると、こちらは、たった1500人程度の者しか居ないのである。巍然族の数こそ把握も出来てはいないが、数万と言う兵力はいるだろうと言う事だ。そして、この巍然族と耳洞族・上原族とは、種を異にする事もあり、戦いは必須の状況には変化が無い。ただし、相手は圧倒的な兵力と、やはり魔物を使うと言うやっかいな相手だ。こちらは琵衛魯をどうにか制御化においたとは言え、備えだけではどうしようもない。
閲呉は、重鎮を集め言われたように、3将を多いに褒めると、こう指示をした。
「黒魔洞で使ったように、赤魔洞にある紅石と、薬湯を使い、飛弾を作ろうと思う。それも出来るだけ早くにだ」
「それは、戦闘の為にだな?勿論」
室蘭が真っ先に言うと、頷く閲呉。
「こちらは圧倒的に兵力の数が少ない。上原族が加わったとは言え、彼らは戦いには慣れていない。むしろ、この製造の方に主力をおきたい」
「うむ・・それで?」




