敵襲!
「閲呉、お前の聞きたい事は、我がどこから来たのかと言うであるのか?」
「聞いてないすよ?あれ・・自分で言うんすか?だって、山岳集団と同じ種だとでも言うんすかね」
「えええっつ!」
全員が声を上げた。確かに山岳集団は山から下りて来た。言葉は話せないが、姿はこの集団と変わらなかった。
「どうやら、閲呉。お前はずっとこの事が疑問だったようだ。そして、我もまた、この集団において、持っている集団の在り方であるとか、組織と言う事。そして共通言語の必要性等を伝えて来たのだ。そう、我は山岳集団と同じ種。もっと言えば、今黒魔洞の向こう側に居る侵略勢力の魔人達に追われた身だ」
「やっぱり・・そうだったんすね?御師、あんたの耳は殆ど聞こえない。しかし、唇の動きを読み、恐らくその前には言語を操っていたんすよ?耳を潰されたんですか?それは」
閲呉は、切り込んだ。大きくそこへ・・
「お前には何も隠せないようだな、閲呉。そして、皆も聞け。そして、室蘭にも伝えてくれ。我は、その地を追われた山岳集団と同じ種族。いや、種族と言ってもこちらとほぼ同じ種だ。しかし、もっともっと高度な文化を形成し、きちっとした上下関係の中で、暮らしていた。しかし、ある時、お前達も見たであろう、魔物を使役する異世界からの者が押し寄せ、殆どその国と言おう・・破滅させたのだ。我は、その中で、薬湯を扱うつまり医術と言い、病気の者や怪我をしたものを治癒する家系の子供であった。山岳集団となったのは、その楽理によって、魔物達が近寄れないような匂い、煙の薬効によって、またそれを食し、太古から岩山上に居る天鳥を食として来たからだ。その時、こちら側には今言うやはり争いの歴史もあり、当然我らと戦いになる。故に時を待った」
「それが、あちらの魔物使いの薬湯っすか?」
「赤魔洞を抜いたのは、我らの一族が主導した。その時、黒魔洞にはお前が遭遇した黒蜘蛛が居た」
「だから、赤魔洞は途中で封鎖した」
「その通りだ。黒魔洞には黒魔も居たが、それは、我が創生した魔人でもある」
「薬湯とは、そんな事まで出来るんすか?笛も使って?あちらの魔物使いのように?」
「お前達も分かったであろう。あの笛を使えば、自分の耳がやられる。しかし、耳の聞こえぬ我には、それが可能であった」