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世代交代の巻
馬路が笑った。香ばしい香りがして来た。
「お・・これは美味そうな匂いだぞ?」
閲呉が食おうとする寸前に、燕尾が止めた。
「待って!幾らなんでも知らない食を無条件に口に入れたら駄目でしょうが」
「いや、以前に黒蜘蛛を食ったじゃん?今さら言うかあ?そんなこと。それにさ、食える事は知っているぞ?山の連中が食っていたそうだからな」
「何時の間にそんな情報を・・」
燕尾の眼が点になった。閲呉はどうやら、今までもそうだったが、相当に地獄耳を持っているようだし、既に山岳民族の音伝達について、自分が解析をしていたようだ。これには流石に燕尾も驚くしかなかったのだった。