正体見たり!
「な・・何だ・・あれは」
「敵が攻めて来たと言う合図さ。戦闘態勢をし始めた所だ」
「う・・うむう・・では、止めさせる事も出来るんだな?」
「勿論・・」
かかかん・・短く閲呉がそれを4度繰り返すと、ざわめきは収まった。
「ふ・・分かったか?我利」
「分かった・・お前が解読した事は認める」
「ふ・・我利、お前も地伝達が得意だろ?馬路とも連絡を取っていたんだからな」
「まあ・・多少は」
「多少か?」
閲呉は含み笑いをしながらも疑問符をつけた。
「本当に敵が来たと言う合図だったか?今のは」
「だから、知らない。お前達が解読し、今眼前で証明したのだろうが」
「いや・・これは馬路・・お前が言ってやれよ」
「おい、我利。今のは、今から移動する。だから、兵を集めろと言う合図だよ。お前が知らねえ筈が無いだろうが?」
「あ・・いや。偶然にもその合図が、山岳民族に敵が来たと言う合図と同じだったと言う事では無いのか?」
「うん、まあ大きくは違わないわな。兵をあいつらも集めていた。じゃあ止めろはどうだ?」
「全く違う合図だ」
「どう言う合図か、燕尾に教えてやれよ」
「燕尾?お前は空伝達が出来るんだろうが・・必要な事か?」
「うふふふ・・何で空伝達の出来る事を我利が知っているのよ。あたいは、誰にも言ってないよ、それは」
「え!それは・・」
「抜燐師がそう教えたんだね?我利に」
燕尾の誘導尋問に引っかかったようだ。我利は降参した。
「我は、閲呉隊がごそごそ動くので、監視せよと言われていた」