正体見たり!
閲呉は知り得る事を吸収しようとしているのだ。話の途中で、この集団の最長老と言う塔蘭と言う推定年齢になるが、120歳になるだろう、皺くちゃの顔で腰を大きく曲げた婆さんが現れた。この婆さんは室蘭の叔母に当たるのだと言う事だ。つまり、室蘭の父の妹と言う事らしい。代々勇猛な血筋であり、こう言った。
「わたしゃの頭がまだどうにかなっていないと思うとるが、今話を聞いていて、言わねばならん事があるかとしゃしゃり出て来た」
「あ!是非、お願いします」
閲呉は非常に年寄りを大事にする男だ。それを塔蘭も知っており、以前も転んだ時、歩けない自分を家まで運んでくれたと言う。その珪藻土の白い家だ。この集団はほぼそう言う家に住んでいると言う事を今になって報告するのにも理由がある。そう・・それまでばらばらに点在する小集団で生活していた彼らにとって、そう言う住まいの事情などは他の集団と同様であるとか、比較するようなものでは無く、全く生まれて育って来た時からあるので、そう思う事すらなかったと言う事であろう。そして、この家がやっとその珪藻土で出来たものである事が分かったからこそ、その特徴を示すのである。
「白魔洞と言うのは、わたしゃの父からの代に、家を創るのに切り出しておったのよ」
「ほう・・」
閲呉は、室蘭と塔蘭と対して車座に座り、話を聞く事に。
「ところがじゃのう、わたしゃの夫の美辞江の代に、突如魔人が現れた。勇敢に戦ったものの、相手は強かった。それから、ずっとこの代まで戦いは繰り広げられたのだ。食われた者は無数だ。しかし、こちらも次々と強者が現れ、このわたしゃの兄である瓶超が、互角に戻した所で、白魔から緑魔、赤魔が派生して、更にその種同士が食い合いをしながらも、こちらも防御しながら、相当数又食われもして来た。
「すると、他の魔人は白魔から生まれた亜種なんすね?」
「その辺はわたしゃには分からん。恐らくそう言う事じゃろうのう。今の姿の変化にしてもあっと言う間に変わった所を見ると、どうやら食い物で姿も変わるんじゃろ。そして白魔同士でも食い合いをしたからのう」
「成程・・だから白魔の数が一番多いんだ。つまり、食い物が均衡している時に、やっと俺達が魔人を駆逐したと・・で?緑魔洞と、赤魔洞と言うのも石を掘ってたんすか?」
「いや・・元々緑魔洞と言うのは、ぽっかり穴の開いていて洞窟じゃ、中は広いが奥行きは無い。そこでは、硬いきらきらした石があったんじゃ」
「ん?これっすか?」
閲呉が胸にぶら下げている緑色で透明の石を見せると、