魔流の生き方
エツゴも、
「おう、そうだ。今回の撃退の功労者は、ユウゴでもあるが、ビゼンの作戦が大きかった。敵も陣構築方法やこの木車を作り出した事を見ても、あれ程の連射の出来る鉄矢は、以前の俺達ならとっくにやられていた」
「だなあ・・鉄矢の威力も相当数あり、又連射出来る弓も作っている。又鉄の武装具も簡単には向い合えば倒せぬだろうな、長い槍を持っているから、大刀が主の我が軍では不利な条件もある。かと言って、あの大勢力に対し、武力での衝突はまず出来ん」
エツゴも今後の対応に色々敵も作戦を練り直して来るだろうが、空からの爆弾もあって警戒をしているだろう。又こちらの鉄矢の事にも驚いた筈だ。それも戦いの最中にあっという間に反撃の武具を造ったのであるから。
「エツゴ、お前も即断即決だがその血を受けてユウゴも即断即決だな、ふふふ」
ビゼンとエツゴは組織で言えば上使の関係だが、気も合うので殆ど友人のような感じであった。物言いもそうである。まあ、エツゴが境を作らない人間なので、ガリともそうであるが、特にこの2人との関係は強固でもあり、何でも話し合えるのであった。勿論実の兄弟、親子関係でもあるゴラー、ビロウについてもそうだが、その二人は上下関係で生きて来た。なので、少し距離感があった。確かに2人は、エツゴがそう思ってもいないのだが、遠慮している部分があるように見受けられる。まだ、エツゴに合流してからユウゴ達より日が浅い彼等だから、もっと活躍する場がこれから力量もある事から出て来る事になると、もう少し関係も違ったものになるだろう。既に信頼関係はしっかりと結ばれている訳だから。
試作から始まって、防護の地雷とはこんな仕掛けをこの世界で良く考え出したものだ。確かに最大の地上における防御と言う近代でも使われる物が出来たのである。また、ユウゴの発想は人力自動車、或いは戦車に価するような物であり、敵の装備を更に高速・進化させたものだ。それに既に矢玉と言う新武具が完成している。それも多産出来ると言う強みを持って、その場で鋳造出来るような物が備わった事は大きい。ゴラーの中に加わった旅団の一人に、両方の言語を通訳出来る者が居た。エバが即記憶したが、バリオウと言う一際大きな男であるが、北の民は不思議な魔術を使うのだと言っている。その魔術は、このエツゴ軍でも見たと驚いている。つまり、彼等にとって馬や牛を使わない戦闘形式で木の馬車や、鉄の矢尻を連射出来るような武具は、全て魔術なのだと言う。そして、少し分かった。エツゴ軍も敵の兵士の亡骸を回収しているが、彼等の手足はエツゴ達と少し違い、指が6本あり、特に脚力が優れており、足が長いのだ。そして顔は細長く、眼はつり上がり、耳はロバのように尖っている。全く人種ではあるがエツゴ達とは異なる種族であり、かなり知能も高く手先も器用なので、こう言う武具を製造し、大きな国を構成しているとの事。現れた軍は一部であり、彼らが本気で攻めて来たら、このような撃退は難しいだろうと言う事だ。




