魔流の生き方
「済まぬ・・もっと早く指示を出すべきだった。うむむう」
ガリが沈痛な表情でビリに。
エツゴがその肩を叩いた。
「いや、ガリ・・お前のせいじゃねえわ。俺達の判断が遅かった。許せ、ビリ」
「いいえ、自分がもっと低空であれば、正確に敵に爆弾を投下出来ると思ったからです。思いの他、この飛翔具は軽く速度も出る故に、少し調子に乗っておりました。エツゴ様、ガリ様のせいでは御座いません」
何と言う潔い言葉であろうか、エツゴの眼がうるっと来た。しかし、その判断を誤らせたのは軍師、大将の責であると、大筒の効果で更に後退した敵軍に少し今度はゆとりを持った形でエツゴは、
「各砦の者は大筒をいつでも発射出来るようにしておけ、それに一撃目の攻撃以上に敵は進入して来るまい。そこまでの備えがあれば今は良い。おい、ガリも入れ。先程の敵の矢を持ち帰れたのは大きい。それで武具の検討が出来るからな。ユウゴも呼んである。もうすぐ来るだろう」
ユウゴもこの前線に呼ばれた事を見ると、相当の緊迫性のある重要案件故だろう。
到着するや、本営にユウゴが呼ばれた。そして矢を見せられる。
「あ・・この矢は僕が西ゝ平原に向けて撃った物と考えは同じだね」
「そうか、あっちからは大筒のような発射音はしなかった。成程筒の中から何かの作用で発射しているんだな。この鉄の構造をどう思う?」
「うん、先端を矢尻にしているので、直進性があって安定している。僕の新方式だと空気の圧縮を火薬でやるんだけど、この方法ではこの陣地までは届かないよね。飛翔隊も30メートル上に居た者達には届かなかったそうだしね」
「もう、そんな情報まで仕入れているのか、ユウゴは」
「当然・・ふふ。父は何でそんな事をいちいち驚くの?」
ユウゴは笑った。エツゴも苦笑いをした。
来る途中で空伝達、地伝達で既に伝わっている事だ。暗号を組み合わせるこの方法は簡素で分かりやすく作られている。傍受されてもすぐには解読も出来まい。言語方式が違え猶更である。空伝達には特に笛が利用され、地伝達と言っても狼煙も含まれるのだから、それは色んな物を組み合わせていると言う事だ。そして今は空船によって空気の流れ如何では尤も早く伝達出来る方法もあるのだった。




