魔流の生き方
「ビゼン、迎え撃つ仕掛けは分かるが、その前に余りにも進軍速度が速い上に、敵は幅広く展開して、真っすぐに来ている。このままでは間に合わんだろうが?何故、先制攻撃の指示を出さなかった」
「まあ、どちらが先かと言う事だが、見ていろ・・もう先頭の左部隊が仕掛けに到達する。飛翔隊はその後と思ったが、ほぼ同時になっただけ」
「何・・?」
エツゴが首を傾げた瞬間に、どおおおーーーんと大きな音がした。その左の敵部隊が濛々と砂煙を上げて吹っ飛んだのであった。
「おおっ!」
その音と同時に、今度は中央の後方、右の前方に飛翔隊から投下された爆弾が破裂した。どかん、どかんと音がする。濛々と砂煙を上げる敵部隊戦車隊がが急停止したのである。
「ふ・・まずは機先を制したか。止まったぞ」
ビゼンが言うと、
「おい、ビゼン。左の仕掛けは何だったんだ?相当の破壊力だな。大筒の射程距離までと考えていたのなら、余りの大群故に、間に合わんかと俺は指示を出したが・」
「この北の民に追われた旅団の中に、俺達と言語が通じる者が居て、敵の武力や備えを少し聞いていた。飛翔隊や、大筒は持たないようだ。馬も居ないとの事だった」
「そうか、それでお前は仕掛けをしていたんだな」
「だが、エツゴの指示は間違って無いと思う。どっちが先かと空船からの監視をやっていたからな。北の民は、俺達が少数と見て横一杯に軍を展開させて襲って来た。こうなると多勢に無勢。圧倒される所だった。確かに仕掛けはしたが、どこまで大軍をそこで留められるかの判断は難しいからな。一端は停止したものの、ほんの100名程度を失った程度では、また軍を整備し、二度、三度と襲って来るだろう。空からの爆弾で中軍と右軍はすこし乱れたようだが、こちらに予想しない武器がある事を知ったようだ。旅団の中にこちら側につく事を約束させた斥候を送っていたのでな」
「流石に軍師よ、そこは頭を下げよう」
エツゴは加わった知恵者、スエラ、カガイもビゼンの傍に寄せて、戦況が一端敵の前進を止めた状態にて、急遽の会議を開始。寸刻も油断は怠っては居なかった。




