魔流の生き方
キランが問答をしている。全く不明なる会話なのだ。そのユウゴでさえも良く分からない話をしている状況であった。こんな世界に録画機能とか、録音装置があると言う事が出る話がおかしいのだ。奇天烈な論をユウゴが展開するのを黙って聞いていたエバが、口を開いた。
「あのね・・この胴体に着けられている物は、音を拡大して送るものだとしたら?例えば我々は空伝達をする。しかし、それは互いに言語でやっているけど、遠く離れた場所にでも通じている。地伝達もそう。それを当たり前に思って来たでしょ?兄、キランさん」
「え・・まあ、空伝達、地伝達とは振動や、音源による」
「西ゝ平原の敵は波長の違う音源でやりとりをしていた。それが空伝達では無いの?梟も大鷲も同じだとすれば、彼らは違う波長の音源を聞き分けられるやり方をしている。つまり、この装置に音源を受ける物があるのなら、鳥達の何等かの障害や、或いは違う種に対する警戒音とかを互いに伝達し合う。つまり、共鳴機のようなものよ」
「共鳴機?何だ、初めてそんな言葉を聞くぞ・・」
ユウゴも驚いた。そこへこの日はヒリュウが姿を見せたのだった。その装置をしげしげと眺めていたが・・
「これ・・黒魔人洞で、黒魔人・・元灰種に伝達していたものと良く似ておりますな」
「え!そんな物を使っていた?」
「はい・・伝達をどうやっていたのかは、やはり薬湯を使い、灰種は元々人種で御座いますが、例えば牛種、馬種であっても一時的にその知能を上げる物も御座いました。そして、こちらの指示なる信号を送っておき、その信号に合致する事柄だけに反応するので御座います」
「そんな・・高度な事を・・ウレイが?」
「はい、指示によって私も使っておりましたが、ただ、その薬湯を使うとその対象はやがて死に至ります。脳が機能しなくなるので」
「じゃあ・・その西ゝの種族とウレイは繋がりがあったと言う事になる」
「さあて・・どうでしょうか。私もそこまでは深く関与出来なかったし、関わる事がなかったので・・」
ヒリュウが困惑していたが、この話をエツゴに伝えると、東上原平原での魔物使いの話に通じるなあと頷いていた。ずっとその事が疑問だったが、やはり薬師たるもの・・それこそ魔術であろうと思ったのである。
「じゃあ、魔術を使う北の民と、西ゝの民もどこかで繋がり、ウレイもその流れを汲むと見た方が正しいのだろうな。事実カガイはウレイと双子であり、びっくりする程の長寿だ。しかも、延命術を受けていない。だとすると、ウレイも元々長寿の者であり、それでも不老不死秘薬を手中にしたかったのだと言えような」
エツゴは納得したのである。これぞ、魔術を駆使すると言う事と、高等戦術の話が繋がって来そうであった。




